雑誌やインスタグラムを見ていると、息を呑むようなキレイな写真ってありますよね。
自分でもそんな写真を撮りたいと思っても、なかなか実際には上手く撮れなかくてガッカリすることも。
これからはインターネットの速度もどんどん上がって、写真や動画での表現が今以上に当たり前になってきます。
どうせだったら上手に写真が撮れたほうがいいですよね。
そのためにも、今回はどうやったら写真が上達するか、その考え方を紹介します。
モノゴトの上達のステップは守破離
昔から何かに習熟しようとした場合に大切な考え方があります。それが守破離というもの。
守破離というのは、安土桃山時代の茶人「千利休」の歌を引用したものだと言われています。
教えを守り続けながらも、いつしかそれを打破り、離れていく事も大切である。しかしそこにある基本精神は忘れてはならない。
引用:千利休
茶道、武道、芸術等などの修行を3つのステップで表現するものとして「守・破・離」という言葉がよく使われています。
それでは、具体的にそれぞれ見ていきます。
守:【基本修得】教えや型を忠実に守り身につける段階
まずは守る。
まずは教えや型を忠実に守り、確実に身につける段階から始まります。
このとき、アレンジを加えてはいけません。ひたすら基本を身につける段階です。型は試行錯誤のあとに最適化されているので、未熟な人がアレンジを加えると単純に質が下がります。
自由な作風の天才画家ピカソも、いきなりあのような絵を描いたわけではなく、初期の頃は忠実な作風でした。
《科学と慈愛》1897(ピカソ19歳),ピカソ美術館
《アヴィニョンの娘たち》1907(ピカソ29歳),ニューヨーク近代美術館
まずは師匠の教えやお手本を忠実に守るところから入ります。
破:【改善】自分なりの考え方を模索する段階
次に破る。
師匠から教わった型の上に自分に合った型を加える段階です。良いものを取り入れ、自分なりのアレンジを加えて自分のスタイルを確立していきます。いわゆる改善の段階です。
似て非なるものに「型なし」と「型破り」があります。
基礎のないまま我流でやるのが「型なし」で、型を完全に習得した上で、新しい創造のために、意図的に型を破っていくのが「型破り」です。
「守」を完全に修得したからこそ「破」が活きてきます。
離:【新規開発】新しいものを生み出す段階
最後に離れる。
最終的には師匠の型から離れて自分なりの独自の表現をする段階になります。
「破」では型の改善でしたが、「離」では自分で新しく開発する段階になります。
また、「離」については自分で独自の世界を切り開いていくことなので、自分があきらめない限り終わることはありません。
カメラの上達も守破離が大事
茶道や武道における考えとして浸透してきた守破離ですが、写真の上達にも使える考え方です。
知識も何もないまま、いきなりみんなが感動するような写真を撮ることは難しいです。写真の場合はシャッターを押せばとりあえず撮れるので、まぐれ当たりの一枚はあったとしても、安定的にいい写真を撮ることは困難でしょう。
構図やライティングやカメラの知識は基礎として身につけておいたほうがいいです。そして、それに加えてオススメなのは、いいなと思った写真を積極的に真似ることです。
インスタでも「おっ、この写真カッコいいな!」っていう感動した写真があれば、同じように撮れるように真似してみてください。そうすると多くの場合は自分で撮った写真のほうがイマイチなはずです。
ここでのポイントはオリジナルと見比べて、「どうして差が出るんだろう?」と自分なりに考えてみることです。写真は光学なので必ず説明がつきます。
そして、自分で考えたその差が埋まるように撮ることです。その繰り返しでどんどん写真が上手くなっていきます。

量質転化
「量」をこなしていくうちに、だんだんと「質」が上がってくるという考え方が量質転化。
最初から「質」が高いということはありえません。
例えば、英会話を勉強する場合、学習初日からペラペラ話せるということはないですよね。
まずは地道に英単語や文法や定型のフレーズをたくさん覚えるはずです。
それと同じで、最初にやることは、質を求めるよりも圧倒的に量をこなすことが大事。
写真を撮ってみたけれども、上手に撮れなかったので才能がないと、いきなり諦めてしまうことはナンセンスです。
まずはたくさん撮ってみることが上達のための第一歩。
だいたい写真が上手くなる人のパターンは、写真が好きで撮っているうちにどんどん上手くなったというもの。

まとめ
今回は写真が上手くなるための考え方を紹介しました。
テクニック的にはライティングや構図などいろいろありますが、大事なのは考え方のほう。
正しい考え方で取り組めば必ず上手くなります。
まずは、守破離で基本を大事にしつつ、量質転化で量をこなすことが上達への近道です。