こういった疑問にお答えします。
本記事の信頼性
- SEから大阪の広告スタジオに転職してカメラマンアシスタント→カメラマン
- 東京のレタッチカンパニーに転職して大手TVCMや雑誌広告の製作に従事
- カメラマン兼レタッチャーとして独立
いざカメラマンを目指そうと思っても、実際にどんなステップを辿ったらいいかわかりづらいですよね。
おそらく普通に就職していると周りにプロのカメラマンもいないでしょうから相談できる人もいないでしょうし。
今回はそういった人向けに、私が広告の写真スタジオに就職するために取った具体的な方法を紹介します。
10分くらいで読める内容です。今は普通の企業に勤めているけれども、実はプロのカメラマンになりたい方は、ぜひご一読を!
目次
どういった種類のカメラマンがいるのか
プロのカメラマンを目指すにあたって、どういった種類のカメラマンがいるかをまずは整理します。
大きく分けて2種類
プロのカメラマンと言っても色んなカメラマンがいます。専門とするジャンルが違ったり、写真の使われる用途が違うからです。
数あるカメラマンのジャンルですが、プロのカメラマンは大きく2つに分けることができます。それは、商業カメラマンと作家的なカメラマンです。
①商業カメラマン
商業カメラマンって?
企業などのクライアントから依頼があって撮影するカメラマンです。
商業的ニーズがあって、それに応える形で撮影を行います。 その報酬としてお金が発生します。世の中のプロカメラマンの多くは商業カメラマンです。私も商業カメラマンです。
そして、商業カメラマンにも色んなジャンルがあります。例えば、
- ブライダル
- 広告
- 報道
- スポーツ
- 七五三などを撮る写真館
などなど、ここでは上げられないぐらい様々なジャンルの商業カメラマンがいます。
商業カメラマンになるメリット
カメラマンとして考えた場合、商業カメラマンになるメリットは2つあります。
1. 収益化しやすい
依頼を受けて撮影するので、その報酬が得られます。 そのため、稼ぐカメラマンは年収が数千万円ぐらいにいきますし、普通に仕事をしていれば食べていけるぐらいは稼げます。
2. 圧倒的に経験が積める
企業の依頼に応える形で撮影するので幅広く経験値を上げることができます。
- 会社勤務のカメラマンの場合、仕事がどんどん入ってくるので撮影の量をこなすことができる
- 撮影の時間は限られているので、次第に限られた時間内で撮影できるようになっていく
- 自分がやったこともない撮影もする必要があるので、スキルに幅が出る
仕事を完全に選べるわけではないことが逆に上達のポイント。撮影に食わず嫌いができないので、人物撮影が好きだった人が物撮りをしてみると案外ハマったってことが多いです。
商業カメラマンのデメリット
自分が本当に撮りたいものが撮れない
企業からの依頼を受けて撮影するので、自分が撮りたい内容と差がでます。企業や代理店の意向が入るので。
例えば、起用した芸能人にはイメージがあるので、無茶なことはできません。
②作家的カメラマン
商業カメラマンとは別に作家的カメラマンとう方向があります。
作家的カメラマンって?
企業などの依頼を受けるのではなく、自分で写真集を出したり個展を開いたりして活動するのが作家的カメラマンです。
企業からの依頼だと自分が表現したい内容と差がでたり制約がついたりしてしまいます。そのため、自分が表現したい内容を表現するために、企業からの依頼ではなく自分自身で被写体を選んで活動します。
カメラマンを目指す人で作家的カメラマンになりたい思っている人も多いのではないでしょうか。
作家的カメラマンになるメリット
自分の撮りたいものを撮れるというのが一番のメリット。
例えば、情熱大陸にも出演された梅佳代さん。被写体は子供やおじいさんなど。撮りたい写真を撮り続けて、木村伊兵衛写真賞など数々の賞を受賞。写真集も出されています。
作家的カメラマンの中には、普段は商業カメラマンをしていて、プライベートで作家的カメラマンとして撮りたいものを撮るといった活動をしている人も多くいます。
作家的カメラマンになるデメリット
収益化のポイントが後ろにくるので、短期的にはこれだけで食べていくのは困難です。
商業カメラマンの場合は、企業から依頼を受けて、撮影したらギャラが発生します。
商業カメラマンの収益化の流れ
作家的カメラマンの場合は、撮影しても自分の好きなものを撮っているだけなのでギャラが発生しません。
作家的カメラマンの収益化の流れ
撮影した後にいかに収益化させるかがポイントになります。撮影して勝手にファンがつくことはありません。個展を開いたり、出版社に持ち込んだり、SNSで拡散させたりして、カメラマンである自分にファンを付ける必要があります。
写真集は爆発的に売れるものではないので、講演や執筆や撮影指導などをして収益を上げます。 ただ、最近ではインスタなどのSNSがあるので、作家的カメラマンも活動しやすくなっています。
プロのカメラマンになるには?
実際にプロのカメラマンになるにはどうすればいいでしょうか?いつくか方法があるので紹介します。
学校に行く
このルートが一番の王道です。このルートに進む人は中高生ぐらいといったように早めにカメラマンになると決めている人が多いでしょう。
カリキュラムがしっかりしているので、体系立ててカメラを学ぶことができます。就職先もある程度紹介されたり、情報もたくさん入ってくるのでスムーズにカメラマンへの道を進めます。
学校としては、
- 専門学校
- 美術大学
- 芸術大学
などが考えられます。 私の周りの商業カメラマンもだいたい学校に通ってカメラマンになっています。
業界に飛び込む
私が通ったルートです。学校に通わないで、直接写真スタジオに就職したり、プロのカメラマンに弟子入りしたりするルートです。
撮りたい写真が明確にあったり、憧れのカメラマンがいる場合はこのルートが早いです。もちろん就職条件を満たせばですが。
ちなみに、ある程度しっかりしたところで働こうとした場合、コネも経験もない状態でこのルートを選択するとなかなか就職先が見つかりません。
私の場合は30社ほど応募してようやくカメラマンアシスタントとして就職できました。拾ってくれた社長には感謝しかありません。
副業で小さく始める
アマチュアだったとしても、ある程度のスキルがあれば仕事になります。
最近だとタイムチケットなどのサービスを使えば、インターネットを通じて撮影の依頼を受けることができます。
SNSの出会い系アプリなどで使うプロフィール写真の撮影依頼依頼が多いようです。
自分のカメラの腕でお金を稼ぐことは自信にもつながりますし、副業(複業)で始めるにはちょうどいいでしょう。
(番外編)SNSからプロカメラマンに
最近ではインスタなどで投稿しているうちに火がついてプロカメラマンになる人が出てきています。
濱田英明さんや保井崇志さんを知っている人も多いんじゃないでしょうか。
SNSはどこで火がつくかわからないので、このルートを狙ってできるかというと難しいです。
ただ、バズれば海外への大手メディアの仕事に繋がることもあるので夢のあるルートです。
私が目指したのは広告のカメラマン
前述したように、商業カメラマンと言っても色んな種類のカメラマンがいます。
- ブライダル
- 広告
- 報道
- スポーツ
- 七五三などを撮る写真館
カメラマンになる前は、私は旅をしながら写真を撮って生活できたらと思ってました。ただ、カメラマンを名乗るからにはしっかりとスキルを身に付けたいとも思っていました。
既に27歳という年齢で、写真の学校に通っている人と比べると出遅れた感がありました。今から学校に通うと2年~4年さらに時間がかかってしまいます。時間がもったいない。
そこで私が考えたのが、広告の写真スタジオに就職するといったもの。なぜなら、広告の写真は人物・物撮り・フード・建築などなど、あらゆるものを撮影する必要があります。しかもスタジオでのライティングスキルも身に付きます。
人を撮るのが好きだったのでブライダルのカメラマンも考えたのですが、幅広い撮影経験を積みたいと思ったので写真の広告のスタジオに入ろうと思いました。
そこで経験を積めば、どのジャンルのカメラマンになったとしても通用するのかなと。
広告の写真スタジオに入社するには?
実際に私が転職活動で行ったことです。
カメラマンとしてコネと経験がなかったので4つの作戦を考えて実行しました。
作戦1:ハローワーク
私の場合、会社を辞めてからカメラマンへの転職活動をしたので、雇用保険の受給申請の兼ね合いもあって地元奈良県のハローワークにまず行きました。
ハローワークにはカメラ関係の求人もありました。ただし、ほとんどは結婚式場か街の写真館のカメラマンの求人。そもそも奈良県には広告の写真スタジオはほぼないので当たり前と言えば当たり前ですね。
ハローワークで紹介してもらった結婚式場でバイトで2ヶ月ほどアシスタントとして働きました。広告の写真スタジオに就職が決まるまでという条件で働かせてもらったのですが、ブライダルカメラマンの手際の良さが衝撃的だったのを覚えています。
作戦2:転職サイトに登録
転職が頭をよぎったらとりあえず登録しておくといいでしょう。
転職サイト最大手のリクナビNEXTの新着求人は毎日見るようにしていました。
数は多くないですが、次のような求人情報が流れているのでチャンスがあります。
作戦3:Google先生に聞く
元々が理系出身でSEをしていた私に広告業界へのコネがあるわけもなかったので、Google先生に頼ることにしました。困ったときのGoogle先生。
「広告 写真 大阪 スタジオ」で検索すると、Google先生が大阪にある広告の写真スタジオをズラ~っと出してくれます。
出てきたスタジオを上から順にチェックしていって、働いてみたいところがないかを確認。
そして、求人情報がないかチェックしていきます。
求人情報(recruit)がある場合
そのまま応募します
求人情報(recruit)が見当たらない場合
求人がないか問い合わせます
「現在求人していない」と明記されている場合
求人が出たら是非志願したい旨を伝えます
30社ほど応募したり面接を受けてみたりしたのですが全滅でした……
考えたら無理もない話で、大学院を卒業してメガネを掛けた元SEの27歳のインテリっぽい人材って使いづらいですよね。
例えば、25歳のカメラマンが27歳の年上カメラアシスタントを使うよりも年下のアシスタントのほうがやりやすいでしょうし。
写真学校を出たてでまだ何色にも染まってない柔軟な人材を普通は採用したいはずです。
作戦4:目指すカメラマンの経歴を調べる
転職活動を始めて2ヶ月経っても就職先が決まらず、さすがに焦りだしました。
何か作戦がないか考えていたところ、B'zのカバージャケットを撮っているカメラマンが誰かに興味を持ちました。
調べてみるともちろん有名なカメラマン。その人の経歴を今度は調べることにしました。
もともと大阪でカメラマンアシスタントをされていたみたいで、独立する前に師事していたカメラマンが今でも大阪でスタジオ経営をしているとのこと。自分もその人に師事することができればアーティストの撮影ができるぐらいのスキルが身に付くのではと思い大阪のそのスタジオにコンタクトを取りました。
結果的に、そのスタジオに拾ってもらって無事カメラマンアシスタントとして就職することができました。
就職してみてわかったのですが、私の就職したスタジオはホームページは以前からあるのですが、SEO対策をしていなかったので、Googleで検索しても出てこなかったみたいです。
業界では有名なスタジオでも、世間一般には知られていないスタジオもたくさんあります。有名カメラマンの経歴から探ってみるのも有効な手段ですね。
まとめ
今回は社会人がプロカメラマンになるルートとして、私が通った広告の写真スタジオに就職する方法(体験談)を紹介しました。
カメラマンの実務経験がない27歳が採用されるのは新卒よりも確かに大変ですが、やる気があれば全然可能です。
むしろ本当に大事なのは就職した後。どれだけ貪欲に成長したいと思って行動に移せるかです。
広告業界は勤務時間も長くカメラマンアシスタントは給料も安いです。しかしそれ以上に、カメラワークやスタジオライティングや仕事の進め方など、吸収できることが多いです。
プロのカメラマンを目指すのであれば、広告のスタジオに就職してみるのもいいのではないでしょうか。
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