転職しようか考えたときに3つの方向性があります。
- 同じ仕事を選ぶ
- 少し違う仕事を選ぶ
- 全く違う仕事を選ぶ
どれが正しいというものでもないですが、今回はそれぞれの特徴を深掘りします。
転職の前提条件
そもそも転職するに当たっての前提条件についてです。
転職には攻めの転職と逃げの転職があります。
攻めの転職というのは、
- 心からやりたいことが他にあって、今の職場では実現可能性が低い
- 今の環境で経験できることはしたので新天地で新しいチャレンジをする
- 収入が上がったり裁量権が手に入ったり、よりよい待遇が得られる
などなど。プラスの要素が理由での転職です。
逃げの転職というのは、
- 仕事ができなくてつらい
- 今の仕事は本当はやりたくなかった
- 環境を変えれば何かが変わる気がする
などなど。マイナスの要素を含んでいます。自分でより良くするというよりも、今が楽しくない原因を環境のせいにして、環境を変えれば何かが変わるといった、責任を自分以外のところにおいている転職です。
逃げの転職の場合は、環境を変えても根本の原因は解決されていないので、転職してもまた同じ問題がどこかで勃発します。
仕事で抱えたストレスは仕事でしか返せません。仕事で抱えたストレスを、休日の気晴らしで紛らわしても対処療法のため何の解決にもなっていません。一時的に気が紛れてもその繰り返しです。仕事で成果を出して返すしかないのです。そのほうがカッコイイですしね。
転職も同じで、原因を自分以外のところに持っていっても対処療法です。職場を変えても同じような問題が発生するので、その繰り返しになってしまいます。
ユダヤ人の古代から伝わる知恵であるダルムードには次のような言葉があります。
うまくいっている時こそ別の道を探しなさい。
引用:タルムード
うまくいってないときは頭の中のプログラムにバグが含まているようなものです。バグを抱えたプログラムで考えても正常な判断はできません。
「仕事がうまくいかないな~」というときは、何がなんでも成果を出しましょう。
仕事がうまくいきだすと正常な判断ができるようになります。
逃げの転職をすると将来どこかで後悔することになると思います。
逃げグセがついてしまう可能性もありますしね。
それでは、それぞれの方向を見てみましょう。
方向1:同じ仕事を選ぶ
同じ仕事となると、競合他社などになります。
待遇が良くなるなどプラスの要素があったり、移住などで住む場所が変わったりする場合です。
同じ仕事でも職場が変わると同僚も変わるので、そういったことが問題なければいい作戦です。
方向2:少し違う仕事を選ぶ
今の仕事で得た経験の中から使える経験があるので、少し違う仕事でも成果が出やすいです。
しかも取り組む仕事に新しい要素があるので、自分の経験にも幅が出ます。
一度、成功体験を作ることができれば、どんどん連鎖させることができるので、とても効率的な方向性です。
方向3:全く違う仕事を選ぶ
全く違う仕事となると、今までの経験をそのまま活かすことができません。
「0」からのスタートになるので、やり直すことになります。
短期的には大変ですが、中長期的には違った可能性が広がってきます。
それは、ジョブズのスタンフォード大学のスピーチで話した「connecting the dots」。「点と点をつなぐ」。
ジョブズは大学でカリグラフィーという文字を装飾する方法を学びました。その時は単純に好奇心からの学び。しかし、10年後、最初のマッキントッシュを設計していたとき、カリグラフィーの知識が急によみがえってきました。そして、その知識をすべて、マックに注ぎ込みました。美しいフォントを持つ最初のコンピューターの誕生です。
カリグラフィーとマッキントッシュが繋がったように、将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることはできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけ。
点をつくるという意味で、全く違う仕事を選ぶというのは、後になって思いもよらないイノベーションが起きる可能性があります。
どの方向に進むのがいいのか?
どの方向に進むのが正解というわけではありません。
ちなみに過去の事例を集めると、それぞれの道で成功者と言われる人が見つかると思います。逆に、それぞれの方向で冴えない人も見つかるはず。
どの道も正解であり、誤りでもあるわけです。
それでは、何を拠り所に判断したらいいのか。
それは、自分の心に聴いたときに真っ直ぐ「楽しそう」と言うことができるかどうか。
好きこそものの上手なれ。好きに勝るものはありません。
自分の心に聴いてみると答えが見つかります。
まとめ
今回は、転職するときの3つ方向性ということを深掘りしました。
それぞれ一長一短があります。
大事なのはその転職が、攻めの転職であり、自分の心が「楽しそう」と言っているかどうか。
人生は一度きり。その人生で自分を仕事を通して磨くことが人として大事なところです。
戦略的に転職をすることは大切ですが、どの仕事であっても仕事を愛して仕事に愛されるような、相思相愛になれるのが1番ですね。