スムーズにセールスするための基本であり一番重要になってくるのが、お客さんとの信頼関係です。
お客さんとの間に信頼関係が作り出せればスムーズに成約に至りますし、逆に信頼関係が作れなければどれだけ上手に商品説明ができたとしても成約は難しいでしょう。
そこでこの記事では、お客さんとの信頼関係の構築について書きます。
目次
セールスのベースは信頼関係
セールスの入り口は信頼関係の構築です。
極端な話、信頼関係があれば簡単に商品やサービスは売れます。
営業は「商品を売るのではなく自分を売れ」と言われるように、自分自身がお客さんから信頼されれば、商品も自然と売れるんです。
例えば、服や家電を買いに行ったときをイメージしてみましょう。
親身に相談に乗ってくれたり盛り上がった店員さんだったら、「この店員さんから買いたい!」って思うことってないですか?
逆に、商品を見ているとすぐに寄ってきてセールストークを始める店員さんだと、適当に断って違うお店に行きたくなると思います。
セールスのベースにあるのは、お客さんとの信頼関係が構築できているかなんです。
初めて会ってまだ数十分しか経っていないのに、昔からの親友のような信頼関係を築くことができたらどうでしょう。
そうなれば、変な駆け引きもなく、スムーズな取引ができるんです。
信頼関係を築くコツ
お客さんと信頼関係を築くコツは、お客さんに対して心からの興味・関心を持つことです。
マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心だ」と言いましたが、相手に対して心からの関心を寄せることが良い人間関係や信頼関係を作る上で大切なんですね。
しかも大切なのは、上辺ではなく「心から」の興味を持つこと。
「機嫌を取る」「お世辞を言う」「気が合う振りをする」といった、興味のあるように振る舞う見え透いた演技はすぐに見抜かれてしまいます。
お客さんも、そういった上辺だけのコミュニケーションを取って買わせようという意図は敏感に感じるので、警戒心や抵抗感を生み出すことになります。
お客さんに興味を持つことは、お客さんとの間に信頼関係を構築すると同時に、あなたの商品を本当に売りたい相手かどうかを見極めることでもあります。
信頼できないお客さんに商品やサービスを売ってしまうと、後から困ったことになってしまうのは明らかです。
お客さんとあなたの双方にとって、満足できる結果を得るための土台があるかを見定めるためにも、お客さんに興味を持つことが大切なわけですね。
ラポールを築くための3つのテクニック
ラポールとは?
お客さんと信頼関係を築くのに大切なのが「ラポール」です。
ラポールというのは、フランス語で「関係」という意味。
ラポールが形成されている状態というのは、「心と心が繋がっている状態」ということです。
お客さんと打ち解けている状態であったり、信頼関係ができている状態であったり、一緒にいて楽しいと思える状態であれば、ラポールが形成されている(築けている)といえます。
良好なセールスを行うためには、ラポールが形成されているかが非常に大切で、より短時間でラポールを形成することができたら、それだけスムーズに話を進めることができるんです。
ラポールを形成するためには、お客さんに心からの興味を持つことが基本であり一番有効ではあるのですが、より短時間にラポールを形成するためのテクニックをここでは4つご紹介します。
テクニック1:雑談
新しく人間関係を築いていくステップとして雑談はとても大切です。
いきなりセールスを始めると、お客さんは「売り込まれるんじゃないの?」と警戒してしまうんです。
そのため、まずはお客さんとの間の緊張感を緩めるためのアイスブレイクも兼ねて雑談をするようにしてください。
これは営業マン的には「クラッチ合わせ」とも言われるステップで、とても重要視されています。
マニュアル車の「クラッチ合わせ」からきている表現で、クラッチ合わせをすることでお客さんとのトークが噛み合うようになります。
お客さんの事前情報があれば、お客さんに合わせた雑談のネタを振ってみましょう。
もし雑談のネタが思いつかなければ、「木戸に立ち掛けし衣食住」を参考にしてみてください。
これは、雑談のネタになりそうなテーマの頭文字を取ったものです。
- キ…気候
- ド…道楽(趣味、テレビ、映画、スポーツ)
- ニ…ニュース
- タ…旅
- チ…知人
- カ…家族
- ケ…健康
- シ…仕事
- 衣…ファッション
- 食…グルメ
- 住…住まい、暮らし、家
お客さんによっては雑談を嫌う人もいたり、時間がない場合は省略することもありますが、一般的には非常に有効なステップです。
ターゲットになるお客さんの層が食いつきそうな情報は普段から仕入れておくと良いですね。
テクニック2:ミラーリング
ミラーリングというのは鏡に映したように相手の仕草を真似るテクニックです。
例えばお客さんとカフェにいた場合、お客さんがコーヒーを飲んだらあなたもコーヒーを飲むといった感じです。
ただしお客さんと全く同じタイミングでやると違和感があったりわざとらしさが出て不信感を抱かれるので、ワンテンポ遅れてミラーリングするようにしましょう。
ミラーリングはラポールを形成するために有効ですし、カップルや友人同士のお喋りを観察してみると、自然とミラーリングが行われていることに気づくでしょう。
そのため、意図的にミラーリングを行うことでラポールの形成を促進することができるんです。
テクニック3:ペーシング
お客さんの話し方や状態を合わせるテクニックです。
ミラーリングはお客さんの仕草を真似るのに対し、ペーシングはお客さんの話し方に合わせていきます。
例えば、お客さんがゆっくり話せばあなたもゆっくり話し、お客さんが速く話せばあなたもゆっくり話す感じです。
お客さんがゆっくり話しているのにあなたが速く話すと、圧迫感やせっかちな印象を与えてしまうんですね。
逆にお客さんが早口なのにあなたがゆっくり話すと、鈍くさい印象やテンポが悪い印象を与えてしまいます。
ペーシングはスピードやテンポだけでなく、次のようなものが対象になります。
- 話し方
- 状態
- 呼吸
- 感情
- 考え方・新年
効果的にペーシングを行うためには、この中でも特に「呼吸」を合わせるようにしてみてください。
お互いの調子や気持がぴったり一致することを「息が合う」というように、呼吸を合わせることで潜在意識レベルで働きかけることができるようになります。
テクニック4:オウム返し
オウム返しとは、相手の言っていることを自分も言うといったテクニックです。
あなたがオウム返しを行うことで、お客さんにちゃんと話を聞いているといった印象を与えることができます。
注意点としては、棒読みでオウム返しをしていると逆に話を聞いていない印象を与えてしまうので、感情を乗せるようにしましょう。
オウム返しは大きく分けて次の3つの方法があります。
- そのまま言い返す
- キーワードを抜粋して言い返す
- 要約して言い返す
上から順に難易度は上がっていくので、最初はそのまま言い返すところから始めて練習してみてください。
心のシャッターを開ける
セールスをするためには信頼関係を構築することが重要ですし、ラポールの形成が大切になってきます。
ラポールの形成に失敗したり不十分だと、それはお客さんの心のシャッターを閉ざしてしまったり十分に開いていない状態でセールスをしようとしていることになり成約に至らないといったことに。
逆に、ラポールが形成されると、お客さんの心のシャッターは開いてあなたの言葉を素直に受け取ってくれます。
結果としてスムーズに成約に至るようになります。
まとめ
この記事では、お客さんとの信頼関係の構築について書きました。
セールスのベースになってくるのがお客さんとの信頼関係。
どれだけ信頼関係を築けているかがセールスの成否に影響します。
ラポールを築くためのテクニックをいくつか紹介しましたが、信頼関係を築くために一番大切なのはお客さんにどれだけ心からの興味関心を持てているかどうかです。
優良顧客とは長く付き合うことになりますし、お客さんにしたくない人に下手に売ってしまうと後々あなたの首を締めることに。
お客さんを見極めるためにも、誠心誠意、心からの興味関心を持つようにしてみてください。