8月に入り甲子園の季節になりましたね。
高校球児を見るたびに思うのは、「すごく人生を楽しそうだな~」という印象。
練習は大変だし、甲子園という大舞台のプレッシャーもあるだろうけれども、すごく楽しそうです。
そもそも「楽しい」の「楽」という漢字を音読みすると「楽をする」。
「楽しい」と「楽をする」、同じ漢字を使っているのに、なにやら印象が違いますね。
今回は人生という観点から「楽しむ」と「楽をする」の違いについて深掘りしていきます。
「楽しむ」と「楽をする」は違う
「楽をする」という言い方は何やらズルをしている感じがしますね(笑)
しかし、ついつい人間は楽をしがちな生き物。決めごとがないと、ついつい、楽なほう、楽なほうに向かいがちですが
出社時刻があると普通に時間どおりに会社に行きます。しかし、そういった取り決めがないと、二度寝したりして朝に起きられない人も出てくるのではないでしょうか。
小学生だと夏休みの宿題を、楽をしてしまって8月31日に慌ててやった人も多いはず。
しかし、ここで注意が必要です。
楽を選択すると人生は楽しくなくなるということ。
楽しいとは?
それでは、楽しいとはどういうことでしょうか。
楽しさには2つの種類があります。
消費する楽しさ
誰かが作ったサービスを味わって得られる楽しさです。
例えば、ゲームや漫画や遊園地などですね。
消費する楽しさは、多くの場合はお金を払うと味わえるので手軽なものです。
その道のプロが作ったサービスを経験できるので楽しいですよね。
生産する楽しさ
何かを生み出したり、何かを提供することによって得られる楽しさです。
多くの場合は仕事で味わっているのではないでしょうか。
消費する楽しさに比べて、簡単に手に入るものではありません。
けれども、自分の知恵とスキルで生み出したものを、誰かが消費して喜んでもらえるとしたら、スゴく楽しいですよね。
お金ももらえるので、さらに生産する楽しさに投資することもできたり、誰かが生産したものを消費する楽しさに回したりすることもできます。
本当の楽しさって?
消費する楽しさも、生産する楽しさも、バランスを取ることが大事。どちらが絶対的な楽しさというものでもありません。
ただ、生産的な楽しさを味わったことがある人には他には代えがたい楽しさがあったのではないでしょうか。
メインは生産的な楽しさに
何かを生み出す楽しさというのは消費する楽しさとは質が全く異なります。
例えば、高校野球を考えてみましょう。
高校球児は、高校生活の3年間を野球に掛けます。厳しい練習を行いますし、チームメイトとのレギュラー争いもあります。それらを乗り越えて目指す甲子園。
高校生活を終えて何年後かにチームメイトと振り返ってみると、「高校生活は野球しかしなくて大変だったけど楽しかったな~」といった会話がされそうです。生産的な楽しさです。
逆に、甲子園を観戦している人が味わうのは消費する楽しさ。
甲子園を目指す高校球児と観戦している人とでは、その質は違いますよね。
消費的な楽しさがないと、人としての幅が広がらなかったり、息抜きができません。消費的な楽しさは必要です。
ただ、生産的な楽しさが人生において多ければ多いほど、ドラマチックで楽しい人生になるでしょう。
本気のチャレンジにこそ本当の楽しさがある
つまり、本気で目標に向かってチャレンジするからこそ人生は楽しくなります。
例えば、漫画ワンピースの場合もそうですね。
主人公のルフィが第一話で「海賊王に、俺はなる!!!」と宣言したところから物語が始まります。
麦わらの一味がストーリーの中で強敵と戦って、追い詰められて負けそうだけれども、諦めずに戦って勝利します。ここが生産する楽しさであり、その後の宴でみんなでワイワイするところが消費的な楽しさです。
生産的な楽しさなしで、消費的な楽しさだけのシーンを描いても誰も感動しません。宴がストーリーの9割を占た物語で海賊王になっても感動しづらいですよね。
生産的な楽しさがあるからこそ、スパイスとしての消費的な楽しさが活きてきます。
しかも麦わらの一味は本気でルフィの海賊王になるという目標を信じて、厳しい航海を進んでいきます。
これが、海賊王を目指していない中途半端な海賊団のストーリーだと物語の楽しさも半減してしまいます。
できるかどうかは分からないけれどもチャレンジする、それこそが楽しさですし、その姿勢に人は感動します。
草野球には感動しなくても、高校野球に人が涙する理由はここにあります。
まとめ
今回は「楽しい」と「楽をする」の違いと、本当の楽しさについて深掘りしました。
「ちるらん」という漫画に出てくる高杉晋作の言葉が好きです。
人生を楽しむ為に、全ての”楽”を否定する。
出典:ちるらん
人生を楽しもうと思うと、やったことがないことや出来ないことにチャレンジする必要があります。
楽ばかりしていると人生を振り返ったときに何も残っていません。
楽をせずに楽しむ。
「楽」という漢字って奥が深いですね。