何に取り組むにしても、できことなら早めに上達したいですよね。
もっと早く上達したいと思っても、1つの共通したことが原因で成長速度が遅くなってしまいます。
その1つというのは、羞恥心。できない自分を恥ずかしく思う気持ちです。
今回は古典から深掘りしていきます。
吉田兼好 / 徒然草
吉田兼好が書いた徒然草から一節を紹介します。
これから芸事を身に着けようとする人はとかく「ヘタクソなうちは誰にも見せたくない。こっそり練習して、ある程度見られるようになってから披露するがカッコいい」と言うものだけど、そういうことを言っている人が最終的にモノになった例えはひとつもない。
まだ未熟でヘタクソな頃から、上手くてベテランな人たちに混ざって、バカにされて笑われて、それでも恥ずかしがらずに頑張っていれば、特別な才能がなくても上達できる。道を踏み外したり、我流に固執することもないだろう。
そのまま練習し続けていれば、そういう態度をバカにしていた人たちを遥かに超えて、達人になっていく。 人間的にも成長するし、周囲からの尊敬も得られる。
今は「天下に並ぶ者なし」と言われている人でも、最初は笑われ、けなされ、屈辱を味わった。それでもその人が正しく学び、その道を一歩一歩進み続けてきたおかげで、多くの人がその教えを授かることができるようになった。
どんな世界でも同じである。
引用:700年前の「徒然草」を現代語訳してみたら…現代人にも刺さる深い話だった!
ヘタクソなうちは見せたくない、ある程度上手くなってから人に見せようという心理。
おそらく誰もが経験したことがある感覚ではないでしょうか。
その心理の裏側にあるのは、できない自分を見せたくない羞恥心。
かっこ悪い姿は人に見せたくないですよね。例えば、英会話にしても、発音が下手だったり上手く話せないとそれを隠そうとします。
けれども、本当に話せるようになりたくなければ、失敗を恐れないでどんどんチャレンジしたほうがいいですよね。
タルムード / ユダヤ人の知恵
ユダヤ人は、迫害を乗り越えて世界中で富を築いてきました。
ユダヤ人の人口は、世界人口に対して0.38%程度ですが、各業界で多数の成功者を輩出しています。
ノーベル賞でも、1901年以来、経済で60%以上、医学で20%%以上、物理で20%以上、化学で10%以上、文学で10%近くの受賞者がユダヤ人。人口比に対して成功者の数が異常に高い民族です。
スティーブン・スピルバーグ、アルバート・アインシュタイン、マイケル・デル、ハリソン・フォード、ジョージ・ソロスなどなど、ユダヤ人の有名な人を数えればキリがないほど偉人のオンパレード。
そんな彼らユダヤ人は3歳の頃からタルムードを聞いて育つと言います。
タルムードとは、ユダヤ人の古代から伝わる知恵の集積。
その中からいくつかピックアップします。
・学ぼうとする生徒は、恥ずかしがってはいけない。
・学んだことを復習するのは、覚えるためではない。何回も復習するうちに、新しい発見があるからだ。
・本を読むだけで考えないのなら、いくら読んでも、ロバが本を大量にのせて歩いているのと変わらない。
引用:タルムード
ユダヤ人の知恵の集積のタルムードでも恥ずかしがらないことが大切と言っています。
そして、実践することの大切さ。
恥ずかしがらずにどんどんチャレンジすることが秘訣ですね。
まとめ
今回は上達する秘訣として、できない自分を人に見せたくないといった恥ずかしい気持ちを捨てて、どんどん挑戦することで上達するということを古典に触れながら紹介しました。
トライ・アンド・エラーの回数が多ければ多いほど上達速度は上がり、逆に本を読んでばかりいて実践がともなわないと上達もおぼつきません。
まずは実践、まずは行動。
できない自分を見せるのが恥ずかしくて足が止まってしまうのは上達の1番の妨げです。