「勤勉」や「努力」は日本人が大切にしている価値観。
これらは日本人にとっての美徳。「勤勉」であり「努力」している人はみんなから応援されます。
けれども、ときには間違った解釈のせいで窮屈さを感じることも。
例えば、定時で会社を上がろうとすると、怠けている印象を与えてしまったり、自分の仕事は終わっているのに周りの目が気になって上がれないなど。
本来の「勤勉」と「努力」とは全く関係がないにもかかわらず、長時間働くことが美徳と思われているフシがあります。
本来の「勤勉」とは何か?「努力」とは何か?
改めて深掘りしてみます。
今の時代の「勤勉」とは?「努力」とは?
私も以前は長時間労働を当たり前のように思っていましたが、ワイキューブの元社長の安田佳生さんの言葉に出会ってから、全く価値観が変わりました。
今は、人と違う結果を出すためにはどうすればいいのかについて、
新しいやり方を考え、実行することが「勤勉」であり、
もっとも短い時間で成果を出すため工夫をすることが「努力」である。
引用:安田佳生
勤務態度が真面目であったとしても、同じことを繰り返し、新しい試みをしないことは「勤勉」ではない、スピードを上げるための思考が停止していることは「努力」ではない。
試行錯誤をするといった姿勢がなければ「勤勉」でもなければ「努力」しているとも言えませんよね。
「勤勉」=新しいやり方を考えて実行すること
アメリカのホーソーンという工場で労働者の生産性を調査する面白い実験が行われました。
照明の明るさが労働者の生産性に影響を与えるかを調査するといった内容。
仮説としては、明るくするほうが生産性が上がるといったもの。
実験の結果は、明るくなるにつれ、生産性が上がりました。しかし驚くべき点は、照明を元の明るさに戻しても、上がった生産性が落ちませんでした。さらに意外な事は、今度は通常よりも照明を暗くしたところ、それでも生産性が上がりました。
ここから分かることは、どのような変化でも生産性が向上するということです。
すなわち、人は新しいことを試してみることが大好きだということです。
詳しくは次の本に書かれているので読んでみてください。
安田さんが仰るように、「勤勉」=「新しいやり方を考えて実行すること」とした場合、
勤勉であることは楽しいことであると言えます。
「努力」=もっとも短い時間で成果を出すため工夫をすること
上手くやるのと同じぐらい速くやることは大切です。
孫子の兵法のように、経営者は戦争論から学ぶことが多いようです。
戦争において、スピードが勝敗を左右すると言っても過言ではありません。
例えば、豊臣秀吉が主君である織田信長の死を知り、弔い合戦のために本能寺へ急行したという「中国大返し」は正に常識ハズレのスピードが成し得たものでしょう。
信長が鉄砲を他の大名に先駆けて実践で使えるように投入したのも行動の速さ。
スピードがその後の展開を大きく変えます。
当事者意識
会社においても、経営層はスピードを意識していますが、平社員はのんびり仕事をしているといったことはよく起こります。
どうして、こういったことが起きるかと言うと、当事者意識の差。
当事者意識があれば俯瞰的にモノゴトを見れるようになります。
例えば、経営層は自分たち次第で会社の浮き沈みが決まるので俯瞰的にモノゴトを見る必要があり当事者意識があります。
しかし、平社員でやる気のない人にとっては、スピードを上げようが上げまいが給料はもらえるので、俯瞰的にモノゴトを見ることなく、当事者意識も低くなてしまいます。
仕事に恋をする
どうやったら仕事に当事者意識を持てるのでしょうか?
当事者意識を持てないのは仕事をやらされているからです。何か指示されても、俯瞰的に見ずに言われたことしかやらなかったりします。
例えば、コンビニのオーナーだったら、自分のお店のトイレが汚れていると気になるので掃除をします。しかし、バイトだと汚れていてもオーナーから注意されないと掃除しなかったり。
けれども、当事者意識を持ったほうが質の高い仕事ができます。
持ったほうがいい当事者意識ですが、そのためには仕事に恋をすること。
好きな子とのデートであれば、恋が実るように自分から色々考えますよね。
仕事についても同じで、仕事を好きになれば自分から色々考えるようになります。
もし今の仕事が好きと思えない人は、世の中には色んな種類の仕事があるので転職してみるのもいいですし、今の仕事も取り組み方によっては好きになれるかもしれません。
スピードを上げるためには目標設定
では、具体的にどうすればスピードが上がるかというと、目標を設定することです。
目標は地図のようなもの。もし、海図のないまま海に投げ出されたら、どこに向かうでもなく海をさまよってしまいます。
そのためにも、地図となる目標設定をして、自分がどこに向かうかを定める必要があります。
そして、目標は達成されたときに自分の人生がワクワクする方向に変わるような、できるだけ大きな目標がいいです。
小さな目標だと、現実の延長線上なのでワクワクしません。
旅行がどうして楽しいかと言うと、「非日常」であるから。1年365日ずっと旅行をしているとそれが日常になってしまって楽しさが半減してしまいます。
普段の生活があって、そこから旅行に行くから楽しいのです。
目標についても、自分の常識の外の目標を設定することをオススメします。
常識は多数派の論理。その常識の外にこそ本当のワクワクがあります。
目標が大きければ大きいほど、スピードの大切さがわかるでしょう。のんびりやていると一生かかっても達成できません。
そして、スピード感を持って仕事をするということは、今この瞬間をどれだけ大切に生きているかということ。
安田さんが仰るように、「努力」=「もっとも短い時間で成果を出すため工夫をすること」とした場合、
努力することは今を大切にしているということと言えます。
まとめ
今回は「勤勉」と「努力」についてワイキューブの元社長の安田佳生さんの言葉から深掘りしました。
人間はついつい楽なほうに動いてしまいがち。人に判断を委ねてしまったり、指示を待ってしまったり。そのほうが、自分で責任を持たないほうが楽なので。
けれども、主体的に考えて試行錯誤を繰り返すことは面白いですし、それが「勤勉」であり「努力」をしているということです。
「勤勉」であるということは、新しいやり方を考えて実行すること。それは楽しいことです。
「努力」しているということは、もっとも短い時間で成果を出すため工夫をすること。それは今を大切にしているということ。
勤勉であること、努力をすること、それは人生を楽しみ、人生を大切にするコツです。