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相手にイラッとしたときの3つの対処法。まずは怒りの感情を切り離す。

2018年11月1日

怒っているイラストの携帯画面

日々生活をしていると色んな人との出会いがありますよね。

人との出会いは人生を豊かにしますが、中にはイラっとする人もいたり。

怒りを推進力に変えられればいいですが、多くの場合、怒りはメンタルにあまり良い影響を及ぼしません。

今回は、怒りの感情を切り離す3つの対処法と怒りの原因を紹介します。

相手にイラッとしたときの3つの対処法

対処法1:感情をバカバカしく表現する

「あいつ、ムカつく」といった怒りの感情を、バカバカしくなるような笑いに変換して、どうやったら面白くなるかを考えます。

笑いながら怒ることはできないので、笑いに変換することで怒りの感情を切り離すことができます。

例えば、低燃費少女ハイジのおじいさんのアフレコで「あいつ、ムカつく」と入れてみるのいいかもしれません。

対処法2:かわいそうな物語を想定する

慈悲の心を持つことが感情のコントロールには効果的です。

イラッとした相手にかわいそうなストーリーを勝手に設定します。

相手の言動にトゲがあって感じが悪かったとしても、例えば、「相手はお腹が痛くてトイレに行くのを我慢して余裕がないから感じが悪いんだ」といった具合にかわいそうなストーリーを勝手に想像して設定します。

そうすると、「仕方がないよね。大変だね…」といったように、慈悲の心がわいて怒りの感情を切り離すことができます。

対処法3:自己超越した目標を持つ

普通は自分の枠の中で目標を設定すると思います。例えば、自分の営業目標やスキルアップなどなど。自分のための目標です。

自己超越した目標というのは、利他愛や奉仕、献身といった他者や社会のための目標のことです。

誰かの笑顔のためにであったり、社会正義のためであったり。

京セラの稲盛会長が携帯電話事業に参入したときは、「会社や自分の利益を図ろうとする私心がそこに混じっていないか?」と、半年間ずっと自問自答し、半年後にようやく心の中に邪なものはないと確信して参入に踏み切りました。完全に自己超越した状態ですね。

自己超越していると視座が高いので、他人からちょっと言われたぐらいでは揺らがない状態になり。余計な怒りなどにとらわれなくなります。

どうして相手にイラッとするのか?

怒りの感情の正体は?

そして、そもそも人はなぜ怒るのでしょうか?

人が怒るのは、「自分の思い通りにならなかった」からです。

「こうなったらいいな」であったり、「こうすべきだ」といった自分の価値観を相手に当てはめようとします。

そして実際に期待した通りにならなかった場合に怒りの感情が湧いてきます。

怒っている原因を客観視する

人に腹を立てたりして怒りの感情が湧くことは生活していると当然あると思います。

人間だもの。

けれども、もしかしたら自分がムキになっているせいで怒りの感情が長引いているのかもしれません。

大切なのは、怒りの原因がどこにあるのかを客観的に判断することと、いつまでも怒りを引きづらないということ。

時間が経てば怒りの感情も徐々に小さくなっていきますが、人間関係が悪化したり、そもそも怒りの方向が誤っていることもありますよね。

怒りの感情がおさまらないときほど、客観的に怒りの感情に向き合うことが大切です。

怒ったときの2つの反応

反応1:自己防衛

自己防衛

自分を守るために、相手に攻撃的な態度を取ったりすることがあります。

相手が怒りの感情をぶつけてきたときに、自分を守るために自分も怒りの感情を返したりすることですね。

怒りに怒りで返すと泥沼化してしまうので、相手の気持ちを受け入れて、大局的な視野を持つようにしましょう。

コールセンターにクレームの電話がかかってきて、お客が怒り狂っているときに効果的な対応が、「まずはお客の話しっかりと聴く」というもの。

いくらお客が理不尽なことを言っていたとしても、お客に問題があることを指摘してしまったら、火に油を注ぐようなものです。

逆に、しっかりと話を聴いて適切な対応をすると、クレームの電話だったのに優良顧客に化けることも。

相手が怒りの感情をぶつけてきたから怒るといった自己防衛反応をするのではなく、まずは相手の気持ちを受け入れてみるところから始めると良好な関係が築けるといったことがあります。

反応2:自己正当化

言い訳

本人も薄々気づいているのか無意識なのか、いつの間にかやっている反応が自己正当化。

自分に落ち度あっても認めないで、自分は悪くないと主張したり、自分以外の誰かのせいにしてしまうことですね。

心理学には失敗の受け止め方について2つの考え方があります。

それが「内的統制型」と「外的統制型」

内的統制型は自分に起きた失敗と成功の両方の原因を自分自身にあると考えるタイプ。

言い訳をせずきっちり受け止める性格ということですね。

外的統制型は自分に起きた失敗や成功の原因を自分以外の何かのせいにするタイプ。

言い訳をしたり、責任逃れの多い性格ということです。

自己正当化をするということは、外的統制型である、原因を自分ではなく外に求めているということ。

例えば、会社に遅刻した場合、外的統制型は「残業させる会社のせいで睡眠不足になって遅刻した…」「電車が遅れて遅刻してしまった…」といったように自分以外のところに原因を求めます。

内的統制型は自分に原因を求めて、「残業が多くて睡眠不足だから、定時で上がれるように仕事の流れを見直してみよう」「通勤ラッシュの時間帯は時間が読めないから10分早く家を出るようにしよう」といったように自分で主体的に解決しようとするわけでね。

怒りの感情が湧き起こってくるときは、自己正当化して自分の外に原因を求めているのかもしれません。

自分は正しいという思い込み

人は無意識に自分は正しいと思っています。

それは悪人であったとしても自分は正しいと思っています。

全米をふるえあがらせた暗黒街の王者アル・カポネ。カポネの配下には殺し屋が700人いたり、稼いだ金で警察や裁判所、政治家などを買収して自分たちの仕事をやりやすくしたり。

極悪人と言われるカポネですが、本人の主張としては「おれの働き盛りの大半を、よのため人のためにつくしてきた。ところが、どうだ。おれの得たものは、冷たい世間の非難と、お尋ね者の烙印だけだ。」

カポネは自分のことを悪人どころか慈善家と大まじめに思っていました。

カポネほどの悪人でも自分のことは正しいと思っているので、彼ほど悪人ではない一般の人は自分のことをどう思っているのかは想像できますよね。

人は自分は正しいと思い込む傾向があるわけです。

正義の敵は正義

「正しいこと = 正義」とした場合、正義の敵は何になるのでしょうか?

正義の敵は、別の正義です。

つまり自分の正義の敵は、「他人が思う正義」

自分が正義を実行しているのに相手が抵抗する姿勢を見せるとき、相手は相手の正義を実行しているので平行線をたどるわけです。

みんながそれぞれの正義を持っているので、誰かの正義が勝つときは別の人の正義が負ける。

正義は必ず勝つとは限らないことになります。

より良く生きる

人間の悩みの大半は人間関係というのも、それもそのはず。

みんなが正義を振りかざしているわけなので、色んなところで衝突が起きます。

けれども、人生の限られた時間の多くを人との衝突に費やすのはもったいないですよね。

何も人と衝突するために生きているわけではないですし。

人はより良く生きたいと思っています。そして自分を高めたいと思っています。

そこで、古代ギリシアの哲学者の名言があります。

あなたのことを人が悪く言う。それが真実なら直せばいい。それが嘘なら笑い飛ばせばいい。

引用:エピクテトス

自分を高めるために、人からアドバイスをもらえたら嬉しいですよね。

逆に単なる悪口だったら、それにかまっている時間がもったいない。笑い飛ばしてネタにするぐらいが丁度いいのかもしれません。

まとめ

今回は、怒りの感情を切り離す3つの対処法と怒りの原因を紹介しました。

怒りの感情は、完全に悪いものかというとそうでもないですが、多くの場合はパフォーマンスの低下につながります。

できるだけ早く怒りの感情は切り離したいですよね。

もし怒りの感情がわいたときには今回の方法を参考にしてみてください。

また、人が怒りの感情を持つのは、自分の思っている通りにならないとき。

人は誰しも自分のことを正しいと思っていますが、相手も相手で自分のことを正しいと思っています。

人とのコミュニケーションで、みんながみんな自分の思った通りになるわけはないので、怒りの感情はどこかで発生します。

怒りの感情が湧くときの多くは、人から何かを言われた時。

俯瞰的に考えてみて、もし言われたことが本当であれば取り入れて自分を高めればいいですし、単なる悪口であったらそれに構って時間を浪費するのはもったい無い。笑い飛ばすぐらいが丁度いいです。

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