そういった疑問を持っていないですか?
天職に出会えるかは生涯のパートナーに出会うことに似ています。すぐに運命の人に出会える人もいれば、30代以降に出会う人もいます。
天職も同じで、すぐに天職に出会える人もいれば、諦めずに探すことで見つける人もいます。出会えるかどうかは諦めなければこそ。
そこでこの記事では、天職に出会いたいというお悩みを、働き方のコーチングを2,500人に行って転職などのアドバイスをしてきた観点から解決します。
具体的には次の順番で紹介していきます。
- 天職と適職の違い
- 天職を見つけるための3つの前提条件
- 天職を見つける具体的な3つの方法
- ワクワクしたら本気になって継続してみる
10分ぐらいで読める内容です。時間がある時にご一読を。
目次
天職と適職の違い
天職と適職は似ているようで本質は違います。天職を見つけるためにもまずはこの2つの違いから書こうと思います。
適職とは?
まず自分の適職とは、次の2つの条件を満たした職業のことです。
- うまくやれる
- 稼げる
人が苦労してできるようなことも、自分がやれば割と簡単にできることってありますよね。
そして仕事として考えるとすると、しっかり稼げることも必要です。
適職というのは、自分の適正にあった仕事で、無理なく世の中の経済活動に参加できる職業のことをいいます。
天職とは?
それでは天職とはどういった職業のことでしょうか?
天職というのは適職と似ているのですが、適職にもう一つの条件が加わります。
- うまくやれる
- 稼げる
- 自分自身を表現できて心からワクワクできる
適職であっても、自分を表現するにあたって無理をしていたり、心からワクワクしていなければ天職ではないといったことが起こります。
「自分を表現して無理なく自分らしく生きたい」というのはマズローの欲求5段階説の「自己実現欲求」にあたります。
マズローの欲求5段階説というのを聞いたことがありますか?
これは人間の欲求を5段階のピラミッド状の階層で表現したもので、低い階層の欲求が満たされると、より高い階層の欲求を欲するようになるというものです。
引用:マズローの欲求5段階説
一番低い欲求が「生理的欲求」で、人を動機付ける最も根源的な欲求で、生命維持に関わるものです。
・酸素
・食物
・飲料
・性
・睡眠
その欲求が満たされると、より高次の欲求に移っていきます。一番最上位の欲求が「自己実現欲求(自分らしく生きたい)」です。
適職は上から二番目の「尊厳欲求(他者から認められたい、尊敬されたい)」までは満たしてくれますが、自己実現欲求までは満たしてくれません。
今の仕事で活躍していたとしても、「本当は何をしたいの?」という質問に対して違う仕事が出てきたとしたら、適職であっても天職ではないわけですね。
天職というのは、この最上位の欲求を満たして「自分を表現して無理なく自分らしく生きている」と実感できる職業になります。
天職を見つけるための3つの前提条件
天職を見つけるためには3つの前提条件があります。
条件1:自分の知識の世界を広げる
知識の幅が仕事の幅の限界
世の中にどんな職種や仕事があるのかを知っているのか知らないかでは、天職に出会える可能性も変わってきます。
「夢は知識である」という言葉を聞いたことがありますか?まずは知らないと夢を持つこともできないといことです。
どいいうことかというと、未開拓の原住民の人に「宇宙飛行士」や「弁護士」や「システムエンジニア」の仕事をしたいかと聞いてみても、イメージができないですよね。
知っているからこそ「その仕事をやってみたい!」と思うわけで、夢を描くにしてもまずは知る必要があるわけです。
世の中にはたくさんの仕事があります。しかも今ではちょっと前まではなかった仕事、例えばYouTuberやブロガーなど、新しい仕事がどんどん生まれてきています。
自分の知識の中でやりたい仕事がなかったとしても、知識の外には必ずあります。
アンテナを張って情報収集
知識が足りないのであれば、まずは情報収集です。世の中にどんな仕事があるのか?どんどん情報を集めましょう。
オススメの方法としては、「人と直接会って、その人の職業を根掘り葉掘り聞く」です。
私の場合は、半年間で300人と会うと決めて、実際に会いに行きました。その中で、色んな仕事、色んな志、色んな夢を聞かせてもらいました。
人と会うこと以外でも、本を読んだり、情熱大陸などのTV番組を見たり、インターネットで検索したり。まずは自分の知識を拡げるところから始めてみてください。
条件2:いろんなことに興味を持ってチャレンジする(食わず嫌いは×)
仕事に限らず何にでも言えることですが、やってみる前と実際にやった後とでは印象ってかなり違いますよね。
美味しいと噂のラーメンを食べてみたら案外普通だったとか。ふらっと立ち寄った定食屋がメチャクチャ美味しかったとか。実際に体験してみると思ってたのと印象が違うことはよくあります。
仕事も同じで、実際にやってみて初めてわかることがありますし、やってみないとわかりません。「そこまで強い興味はなかったけれども、実際にやってみたら思ったよりハマった。もっと早くやっておけばよかった!」ということも考えられます。
食わず嫌いをして自分には向いていないと思った仕事も、実際にやってみるとハマることがありまし、食わず嫌いで天職を見つけるチャンスを棒に振るのももったいないですよね。
条件3:「これが天職かな?」と意識する(受け身は×)
受け身でいても天職は見つかりません。仕事をする前から「これがあなたにとっての天職です」といって与えられることはないので(笑)
主体的に「これが天職かな?」と意識してみることが大切です。
恋愛と一緒ですね。「この子のことが好きかも!?」と意識するところからどんどん気持ちが盛り上がっていきますよね(笑)
まずは自分から意識するようにしてみてください。
天職を見つける具体的な3つの方法
それでは具体的な天職の見つけ方について3つ紹介します。
方法1:自分の好きなことに挑戦する
はじめの一歩を踏み出す
天職を見つけるためには、自分が好きなことや興味のあることに挑戦するのが王道です。
「ちょっと難しそう…」「周りの目が気になって…」「お金にならないと思うから厳しそう…」
本当はやってみたいけれども、勇気が出なかったり不安が先に立って取り掛かれていないことってないですか?もし今の仕事を渋々やっていてパフォーマンスが十分に発揮できていなかったとしても、自分が興味のあるテーマだったら前のめりに取り組めるはず。
誰の言葉か忘れてしまったのですが、「努力は夢中にかなわない」といったものがあります。要は「好きこそものの上手なれ」ということで、気持ちが乗っていない状態で努力するよりも、心から夢中になって取り組んでいるほうが断然パフォーマンスが高いわけです。
夢中状態の生産性の高さは誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか?子供の頃のゲームとかは、親から止められてもやるぐらいなので当然上手くなりますし、あっという間に攻略できるわけです(笑)
やりたいことや興味があることがあれば、小さくてもいいのでまずは始めてみると、それが天職になるかもしれません。
やりたいことが天職とは限らない
気をつけておいたほうがいいのが、「やりたいこと」を人生の終盤まで大事に温めておくのは危険ということです。今の仕事に大きな不満がないから、やりたいことを老後の楽しみに取っておくといったことですね。
どうして注意が必要かというと、実際にやってみたら大して面白くなかったという可能性が十分に考えられるからです。
私の場合がそうでした。新卒でシステムエンジニアをやってみました。就活で自己分析などをちゃんとして、検討してからシステムエンジニアになりました。
ところが実際やってみたところ「あれ、何かイメージしていたほどワクワクしないぞ!?」といった状態。つまらないわけではないけれども、100%没頭しているかというとなんか違う。仕事として一生懸命やってみて初めてわかったことでした。
もしやりたいことが見つかったら、できる限り早く始めたほうがいいです。
例えば、「カフェをやってみたい!」と思っていたとして、人生の終盤まで温めておいて、念願叶ってとうとうやってみたらイメージと違った…ってなると、やりきれないですよね。
いきなり「会社を辞めてやりたいことをやったほうがいい!」とは思いませんが、やりたいことを小さいところから始めてみると天職が見つかることがあります。
方法2:やりたくないことを洗い出す
やりたいことがあるのであれば、実際にやってしまえばいいのですが、やりたいことが見つからないといったこともあります。
こういった悩みを持っている人も多いのではないでしょうか?やる気がないわけではないし、やりたいことを見つけたいと思っているけれども、なかなか「これだっ!」というものに巡り会えない。
こういった場合は、無理にやりたいことを探すのではなく「やりたくないこと」から考えていく方法があります。
親指を描きたいなら、親指を描こうとしてはいけません。親指を描くなら、親指の周りの空間を描きなさい。
引用:ベティ・エドワーズ
カリフォルニア州立大学教授で、短期間に写実的な画が描ける独自の指導法を開発して高く評価されたベティ・エドワーズさんは、このように指導するそうです。
やりたいことを見つけるのも同じで、やりたいことそのものに焦点を当てるのではなく、やりたくないことや嫌いなことに焦点を当てることで、やりたいことの輪郭が浮かび上がってくることがあります。
ちなみに私の場合は、
- 価値観の合わない人との仕事
- 満員電車
- 遅刻
- 炎天下での外での仕事
- 寒空の下での長時間の作業
- 決まった場所への出社
- 定額賃金
- 深夜までの残業
- 変化のないルーチンな仕事
- 技術の安売り
- お客のことを考えない一方的なセールス
- 理不尽なクライアント
- お役所仕事
- 睡眠時間が削られる
- 旅行できない生活
まだまだ出てきます(笑)このペースで30個以上を目安に出せるだけ出してみてください。
「嫌だな~」「やりたくないな~」って思う仕事を書き出していくと、それが輪郭になって本当にやりたいことがぼんやりと見えてきませんか?
やりたくないことから探してみると天職につながるヒントが見つかることがあります。
方法3:頼まれごとを予想を上回ってやり遂げていく
講演家の中村文昭さんが師匠から教えてもらった"4つの鉄板ルール"というものがあります。
- 返事は0.2秒
- 頼まれ事は試され事
- できない理由は言わない
- そのうちと言わず今できることをやる
頼まれごとが人生を作るので、一生懸命予想を上回るように取り組みなさいという教えです。
具体的にはどういったことかというと、夢や目標がない人は周りからの頼まれごとを一生懸命相手の予想を超えてこなしていく。
例えば、一日かかる仕事を半日で終わらせたり、途中で投げ出してしまいそうな難しい仕事も最後までやり切る。それを繰り返していくと「お前じゃなきゃ」「お前に頼みたい」という仕事が増えていって役割が与えられようになる。頼まれごとが役割を作り人生が変わる、という教えです。
中村さんは講演家という仕事を天職だと考えられているそうですが、最初からやりたいと思っていたわけではないそうです。知り合いから講演を頼まれて、最初はやったことがない講演というものを断ろうとしたそうですが、4つの鉄板ルールに従って予想を上回ろうと一生懸命頑張ったところから講演家の道が始まることに。
会社員でも、「入った会社でがむしゃらに働いていたら社長にまで上り詰めて、社員からも慕われている」といったこともあり得る話ですよね。
やりたいことが見つからない場合は、頼まれごとに全力で取り組んでみると天職が見つかるかもしれません。
ワクワクしたら本気になって継続してみる
まずは続けてみる
やってみた職が天職かどうかはすぐにはわかりません。ワクワクしたり「天職かも!?」と思ったら、まずは継続してみてください。
例えば、俳優の堺雅人さん。ドラマに映画に大活躍されている今や国民的俳優ですよね。
代表作となる『半沢直樹』は平成以降に放送されたテレビドラマ歴代1位の視聴率45.5%を叩き出した大ヒット作。
おそらく多くの人が俳優という仕事は堺雅人さんの天職だと思われるかもしれません。けれども実は地道な下積み時代があったんです。
堺雅人さんは早稲田大学に入学してから演劇の道を目指します。本格的に役者の道に進もうと大学を中退すると、親から勘当されてしまい仕送りも止められてしまうことに。バイトで食いつないでいましたが、本当に空腹のときは道端の草を食べたこともあるそうです。
このような極貧生活を5~6年ほど続けてからのデビュー。もし数ヶ月の極貧生活で嫌になって役者の道を諦めていたとしたら、今の堺雅人さんの活躍は見られなかったわけです。
継続したからといってワクワクしたらしたその仕事が必ず天職になるわけではないですが、続けるからこそ掴めるチャンスや仕事の奥の深さが理解できるようになります。
本気になって一生懸命に取り組む
仕事の楽しみ方は人それぞれですが、最も大きな喜びは、無理かもしれないと思うような大きな目標に一生懸命に立ち向かって達成したときに得られる満足感や達成感なのではないでしょうか。
例えば、漫画「ワンピース」の冒険は読者を惹きつけますが、それぞれのストーリーの中で主人公のルフィーが勝てるかどうかもわからない敵に全力で立ち向かっていく姿に心を打たれますよね?
もしルフィーが8割ぐらいのチカラで戦って、2割ほど手を抜いている様子だったとしたら全然魅力的な冒険にはならないと思います。
仕事にしても、人並み以上にぶっちぎりの努力をして、逃げたくなる状況でも歯を食いしばって戦うから得られるものがあります。
それが天職であるとしたら、そうやってやり遂げていく仕事は、他の職業に比べてもダントツに楽しいと思いますし、その過程の苦労も大して苦労とも思わないでしょう。
まとめ:天職は必ず見つかる
天職を見つけることは簡単なことではありません。世の中には数え切れないぐらいの職業があるので、天職と出会えることがラッキーなのかもしれません。
けれども諦めないでください。
小さなことでもやりたいことに挑戦したり、自分と向き合って考えて行動したり、頼まれごとに一生懸命取り組んだら、きっと天職は見つかります。
子供がなりたい職業っていうのは、大人たちが楽しそうに取り組んでいる仕事だそうです。
職業に貴賎なしなので、周りからどう思われようとも心から楽しめる仕事に出会えたら最高ですし、子供にそういう姿を見せられる大人ってカッコいいですよね。