人と接していて謙虚な人は魅力的です。
日本人は自己主張が弱いといった話はよく聞きますが、謙虚さは人としての魅力のうちの1つ。
謙虚さは生きる上での姿勢です。
自分は何もわからないってことがわかると、人間は謙虚になる。
謙虚になってはじめて、人間は何かを学ぶことができる。
どんなに歳をとっても、偉くなっても、自分が何も知らないってことを忘れちゃいけない。
無知の知というのは、そういうことをいっているんだと思う。
引用:新しい道徳(北野武 著)
今回は謙虚さについて深掘りします。
謙虚さと自己主張は別軸
「日本人は謙虚過ぎる。もっと自己主張したほうがいい。」そういった論調がありますが、そもそも「謙虚」の対義語は「横柄」。
謙虚さと自己主張は別軸であって、この2つは両立させることができます。
辞書でいうところの謙虚さとは、
謙虚:
ひかえめでつつましやかなさま。自分の能力・地位などにおごることなく、素直な態度で人に接するさま。
引用:大辞林
謙虚さとは「おごらない心」のことです。
歴史を見ても、だいたい調子に乗ったときに足元をすくわれて没落していきます。
平家については、「平家にあらずんば人にあらず」といった言葉が象徴していますし、信長は領地内と言えども50人といった少人数の手勢での移動中に明智光秀に討たれます。
自分はこういった考えを持っている、こうして欲しい、そういった自己主張をすることは大切です。
それに加えて、謙虚な姿勢を持てれば鬼に金棒ですね。
刻石流水
「受けた恩は石に刻め。かけた情けは水に流せ。」
受けた恩は大事にするべきですし、かけた情をいつまでも言い続けるものでもないですよね。
人はついつい受けた恩よりもかけた情けを大きく見積もってしまいます。
人は「してもらったこと」よりも「してあげたこと」を35倍多く覚えている。
出典:ゆうメンタルクリニック
どうして思った以上に成功しないかの理由の1つが、「恩を水に流し、かけた情を石に刻む」といったように、あるべき姿の逆をやってしまっているせいかもしれません。
相手への感謝を忘れない謙虚な姿勢が大切ですよね。
自己奉仕バイアス
自己奉仕バイアスというのは、「成功したら自分のおかげ、失敗したら他人のせい。」といったもの。
何とも都合のいい考えですが、多かれ少なかれ誰もが普段している考え方ではないでしょうか。
世の中の70%の人が、自分のほうが他人よりも優れていると認識しているそうです。この数字が50%だったらつじつまが合うのですが、70%だと理屈に合わないですよね。
人は自分が他人よりも優れていると思いたい生き物。そのため、成功した原因を自分に持ってきて、失敗した原因を他人や環境のせいにしてしまいがちです。
けれども、北野武さんが仰るように、謙虚になってはじめて、人間は何かを学ぶことができます。
「成功したら他人のおかげ、失敗したら自分のせい。」そう思ったほうが自分を成長させることができます。
まとめ
今回は謙虚について深掘りしました。
うまくいっていない時は視野が狭く、うまくいっている時は傲慢になりがちです。
そういった時こそ謙虚な姿勢を大切にして、周りへの感謝や自分を向上できるような自分でありたいですよね。