革命のファンファーレが目からウロコの連続だったので、発行された順序は逆ですが本書も読むことに。
革命のファンファーレもそうでしたが、本来ならスーッと目の前を流れている事柄に「なるほどっ!」って思うような気付きをもらいました。
当たり前だと思っていたことに疑問を持つこと。
日常で使える考え方が詰まっている良書です。
どんな本?
数ある若手の芸人の中でも特にブレイクしたキングコング。勢いに乗ってお茶の間を賑わしていたにもかかわらずダウンタウンなどの大御所には勝てないと感じて、全くの素人だった絵本の道に舵をきった西野さん。
なぜ舵をきったのかの視点や、お金の集め方や集客の仕方まで、日常で使える視点やビジネスのアイデアが満載の内容。
読了後にワクワク感が残って、「何かやってやるぞ!」という気にさせてくれます。
大切なのは「問い」を持つこと
まず大切なのは「問い」を持つこと。
居心地のいい場所は、既に誰かが「問い」を解決してくれています。
例えば、今では遠くの人ともリアルタイムで電話できますが、もともとは「どうやったら遠くの人と話せるだろう?」という「問い」から始まっています。
「どうやったらダイエットできるだろう?」「どうやったら体型を維持できるだろう?」
「問い」を持たずにボーッと生きていても漠然とした不安にかられますし、その横でどんどん「問い」に対する「答え」を出していく人たちもいます。
「答え」を出す人への嫉妬や羨望を持つよりも、自分から「問い」を持つ人生のほうが良くないですか?
居心地の良い場所にいても「問い」は生まれません。そのためにも「問い」が落ちている場所に行く。
人生を賭けるほどの「問い」は誰も足を踏み入れていないようなところに落ちています。
指示を出さずに指示を出す
まるで文化祭のような感じが理想。みんなが楽しく積極的に取り組んでいる状態。
ただし、いくら楽しくても、誰かが指示を出さないと最終的なクオリティーは低くなってしまいます。
けれども指示を出しすぎると、指示を出す人がいなくなると機能しなくなりますし、そもそも指示される側の人は楽しくありません。
ではどうしたらいいか?
そのためにはイメージを伝えること。「こういった感じにしたい」。
例えば、空間を作るときも、一枚のイメージ画と連想される音楽を3~4曲渡しておいて、あとは各パートに任せる。
大事なのは、やらせるのではなくて、その仕事を「スタッフそれぞれの作品」にすること。
コマとして動くよりも、自分が主体的に取り組んだほうが楽しいですよね。
マイナスをデザインする
幸せを感じるのは、その値ではなく伸び率。
例えば、95点から96点になるほうより、10点から40点に伸びるほうが幸せを感じます。
値としては96点のほうが高いですが、10点から40点という伸び率のほうが幸せを感じる度合いは大きいです。。
日本は物質的に豊かなのに幸せを感じる人が少ない。それはそのはずで半径50mのところにコンビニがあるぐらい便利なので、そもそもの基準が高いです。既に95点の状態。
幸せを感じるためには伸び率。
そのために、あえてマイナスをデザインすることが大切です。
例えば、ディズニーランドでは、入場ゲートではあえて並ばせるようにしています。スーッとスムーズに入場するよりも並んだ後にシンデレラ城を見るほうが解放感も手伝ってテンションが一気に上るという仕組み。
並ばせないようにするためにはレーンを増やせばいいだけの話ですが、あえてそうはしていません。
マイナスをデザインするということ。
プラスを追い求めることは当たり前で、マイナスをデザインする発想も大事です。
まとめ
革命のファンファーレもそうでしたが、本書も良書です。
当たり前だと思っていたことに「問い」を設けることで「なるほどっ!!」という気付きがあります。
本書では具体的な事例を上げながら「問い」と「答え」が繰り返されるので、自分の頭が良くなったかのような錯覚すら覚えます(笑)
西野さんの文体もテンポがいいので、気付いた頃には読み終わっていて、たくさんの気付きと「何かやってやろう!」という前向きな気持ちが残って清々しいです。