コミュニケーション

注意するよりも効果がある。マネージャーがチームメンバーを自発的に動かす方法。

2018年10月25日

ミーティング

チームメンバーが望まない行動を取った場合に注意することがあると思います。

例えば、ミーティングに遅刻したり、必要な報告が上がってこなかったり。

本来なら、時間通りに全員がそろった状態でミーティングは始めたいですし、報告は予め上がってきてほしいですよね。

今回は、チームメンバーが自発的に動くように自己成長を促す方法についてです。

自己成長感を刺激することがポイント

やりたくない仕事ややらされる仕事というのはイマイチ気持ちが乗りませんよね。

それに、嫌々やる仕事だとパフォーマンスも上がりません。

自発的に取り組む姿勢があるからこそ、質の高い仕事や深く速い自己成長が期待できます。

そのためにも、自分から成長したいと思うように刺激を与えることが効果的です。

では、どうすればそういった刺激を与えられるのでしょうか?

方法1:事実を伝える

チームメンバーが誤った行動を取ったときに、良かれと思って注意したり叱ったりすることがあると思います。

放置すると、また同じ行動が繰り返されてしまうので。

それ自体は悪いことではないですが、それが行き過ぎるとメンバーが委縮してしまって、上司の顔色を伺って自発的に動かなくなってしまうといったことになりかねません。

本来ならば、メンバー自らが積極的に自分から動いてほしいところ。

そうするために有効なのが、教えたり注意したりするのではなく、「事実を伝える」ということです。

ポイントとしては、ほめるのではなく事実を事実として伝えること。

本人でさえ気づいていないことに「それだよ!」と伝えて方向性を示すことです。

例えば、ミーティングに全員が揃ったら「時間通りだね」。遅れたときに注意するより効果的です。

失敗を報告に来たときは、「自分から言いに来たんだね」。朝早く出社して仕事の準備をしているのを見たら「毎朝早く来ているね」。

他にも次のようなときに有効です。

  • ルーティーンの仕事に変化をもたらしたとき
  • 小さな創意工夫があったとき
  • 他人に対する思いやりを示したとき
  • 気の利いた行動があったとき
  • メンバーが目標やビジョン、仕事に自信が持てないでいるとき
  • メンバーの顧客志向を高める必要を感じたとき

「ほめる」ことは評価ですが、「事実を伝える」ことはメンバーの行動を方向付けます。

メンバーの成長や変化にいち早く気づいて、それを言語化して伝えること。

そして、さらに望ましいのは、メンバー自身がまだ気づいていないことについて伝えることができれば一層効果的です。

自分が成長しているっていう感覚が、その人のやる気や自発性を強く刺激します。

そうすることで、メンバーの意識も、結果重視型からプロセス重視型に移行していき、仕事自体を楽しむようになっていきます。

方法2:褒める

行動科学マネジメントのABCモデル

人が行動するサイクルは、3つの要素から成り立っています。

  • A=Antecedent(先行条件)
  • B=Behavior(行動)
  • C=Consequence(結果)

お菓子の割引クーポンを例にすると、

  • お菓子の割引クーポンを手に入れる = A(先行条件)
  • お菓子を購入して食べる = B(行動)
  • 美味しかった = C(結果)

先行条件(お菓子の割引クーポンを手に入れる)がきっかけで、行動(お菓子を食べる)が引き起こされ、 結果(美味しかった)という成り行きになります。

望ましい行動(B)を繰り返して欲しい場合は、ポジティブな結果(C)を用意すればBが繰り返されやすくなります。

クーポンというきっかけでお菓子を買って食べてみたら美味しかったので、また買ってみようとなるわけです。

逆にネガティブなCを用意すればBは抑制されます。

お菓子が不味かったらまた買おうとは思わないですよね(笑)

メンバーに望ましい行動を促すには?

人は褒められると嬉しいので、メンバーを褒める(C)というポジティブな結果を用意すれば、Bは繰り返されます。

例えば、ミーティングで発言の少ないメンバーがいたとして、もっと発言の数を増やして欲しい時は、

  • メンバーに発言するように促す:A
  • メンバーが発言する:B
  • 発言したことを褒める:C

といったことを何回か繰り返すと、そのメンバーは発言しやすくなります。

結果(C)を褒めるのではなく、逆に「またお前はつまらないことを言って…」みたいなネガティブなことを用意するとそのメンバーの発言は抑制されることになります。

結果(C)にポジティブなものを用意すれば行動(B)は強化され、ネガティブな結果(C)を用意すれば行動(B)は抑制されます。

習慣になるまで繰り返す

ポジティブな結果が得られるとわかれば、その行動は繰り返されます。

メンバーに望ましい行動を取らせようとした場合、褒めるなどのようなポジティブな結果を用意すればいいわけです。

ただ、一回やればいいのかと言うとそうではありません。その行動が習慣になるまで何度も繰り返す必要があります。

まとめ

今回は、チームメンバーが自発的に動くように自己成長を促す方法を紹介しました。

人は叱られてばかりだと委縮してしまいます。そうなると、何か行動しようとしたときも、また叱られないかと上司の顔色を伺って積極的に行動しなくなってしまいます。

マンネリ化した仕事はつまらないですが、自分が成長している、変化しているっていう感覚があれば、仕事は楽しくなっていきます。

その感覚を刺激するために、マネージャーはメンバーの行動をよく観察して、小さい成長や変化を言語化して伝えることで、自己成長感を刺激して自発的な行動を促すことができます。

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