結果を出すリーダーを見ていると2つのタイプに別れます。
一つは実力を周りに認めさせて引っ張っていくタイプ。
もう一つは苦労をメンバーとともにして心を掴んで引っ張っていくタイプ。
両方備えているリーダーが理想ですが、後者の苦労をともにできるリーダーだと部下は勝手に動き出します。
そこでこの記事では、部下が勝手に動き出す上司の特徴について解説します。
リーダー自身も一緒に苦労する
このタイプのリーダーとして有名なのは上杉鷹山でしょう。
鷹山は江戸時代の米沢藩藩主。
破産状態にあった米沢藩を再建した実績で有名です。
上杉家は上杉謙信や上杉景勝を先祖に持つ由緒正しい家柄。
徳川家康に敵対したことで、上杉景勝の代で北信越の数か国を支配する120万石の大大名から米沢30万石に減移封されてしまいます。
その後、お家騒動もあって15万石まで減ってしまうんですね。
ただし、石高が15万石にも関わらず、景勝の時代の120万石レベルの人員をずっと抱え続け、名家の誇りを重んずるゆえ、豪奢な生活を改めることができず、財政破綻したような状態でした。
その結果、上杉鷹山の先代の上杉重定は藩領を幕府に返上しようとさえします。民事再生を申請したようなものですね。
さすがに、名門上杉家が藩の運営ができずに破綻したとなると、他の藩への影響も大きいので幕府は認めず、上杉重定もそのまま藩政を継続することに。
そこで登場するのが上杉鷹山です。
周囲の反対を押し切って藩政改革を推し進めていきます。
史上空前の12箇条の大倹約令を上杉鷹山は発しますが、藩士たちを苦しめるものではなく、藩主自らが損をするもの。
例えば、先代の生活費が1,500両だったところを、7分の1の209両で賄い、50人いた奥女中も9人まで減らします。
日常の食事は「一汁一菜」とし、衣服は全部木綿のものを着用し、72才で亡くなるまで続けました。
当時の常識としては、藩主は豪華な生活をしているのが当たり前だったにも関わらず、藩主の生活が不便になったり、プライドを貶めるような倹約令に、藩士たちは信じられなかったそうです。
けれども、藩主自らが率先して動いた結果、藩全体に伝播して、藩士だけでなく領民たちも藩政改革に取り組むようになり、藩の財政は再建されました。
30万両(およそ300億円)の借金返済のみならず、介護休暇や、育児手当などの先進的な取り組みをした名君です。
どんな人に付いていきたいのか?
気付きが多い動画をご紹介します。
サイモン・シネックのスタッフが、どんなリーダーのもとでなら安心してスタッフが能力を発揮できるかを解説している12分ぐらいの動画です。
動画の中で解説されているように、「自ら率先して行動する人間こそリーダー」です。
リーダーが自分自身のために頑張った結果、会社の利益が上がることはありますが、勢いに陰りが見えるとだんだんと部下は離れていきます。
いざというときに保身に動いたり自分のことばかり考えているリーダーには誰も付いていきません。
それよりも、自分のことを差し置いてでも部下のことを気にかけてくれるリーダーに人は付いていくわけですね。
まとめ
この記事では、部下が勝手に動き出す上司の特徴について解説しました。
口先だけで指示する人よりも、しんどかったとしても一緒になって行動するリーダーに人は付いていきたいもの。
「士は己を知る者の為に死す」という諺があるように、自分のことを考えてくれる人になら寝食を忘れてでも力になりたいと思うものです。