営業にしてもマーケティングにしても、自分の商品を売りたくても思ったように売れないといった経験をされた方も多いのではないでしょうか。
同期入社したアイツは何であんなに売れてるんだろう?
いくつか理由があると思いますが、大きな理由として「何を売ってるか?」を把握できていないからかもしれません。
神田昌典さんと前田鎌利さんのスペシャル対談の記事がヒントになると思うので紹介します。
商品やターゲットを深掘りするにあたって非常に参考になる内容です。
人物紹介
神田昌典さん
マーケティングの第一人者であり、コピーライティングにも精通した、日本でも有数のコンサルタントです。また、作家でもあり、ベスト&ロングセラーを多数出されています。
前田鎌利さん
ソフトバンクの孫正義さんのプレゼン資料づくりを数多く担当。多くの企業でプレゼンテーションの講師として活躍されています。
“お客様目線”を徹底して掘り下げる質問
伝えるうえで重要なのは「相手の目線」に立って考えることです。
相手が社長であれば社長の目線に立つ。主婦であれば主婦の目線に立つ。その目線で「何を」「どう」伝えるかを考えます。
そこで、相手の目線に立つための思考法が、「稼ぐ言葉を掘り当てる『5つの質問』」
神田さんの『稼ぐ言葉の法則』という書籍で紹介されている思考法です。
【質問1】
あなたの商品は、ズバリどんな商品か?
その特徴2つを、20秒以内で、直感的にわかるように説明すると?【質問2】
この商品を20秒以内で説明しただけで、
「なんとか売ってくれ」と頭を下げて、
嘆願してくるお客は、どのようなお客か?【質問3】
いろいろ似たような会社がある中で、
既存客は、なぜ自分の会社を選んだのか?
同じような商品を買えるような会社がいろいろある中で、
なぜ既存客は、自分の会社から、この商品を買うことにしたのか?【質問4】
いったい、お客は、どんな場面で、
怒鳴りたくなるほどの怒りを感じているか?
どんなことに、夜も眠れないほどの悩み・不安を感じているか?
どんなことに、自分を抑えきれないほどの欲求を持つか?
その「怒り・悩み・不安・欲求」をお客が感じる場面を、
「五感」を使って描写すると?【質問5】
なぜ、この商品は、その悩みを簡単に、短時間で解決できるのか?
それを聞いたとたん、お客はどんな疑いを持つか?
その猜疑心を吹っ飛ばす“具体的・圧倒的な”証拠は?
商品の特徴やお客の悩みを深く理解することで、訴求力の高い提案をすることができます。
「何を売っているのか?」「お客様は誰なのか?」「お客様の怒り・悩み・欲求は何か?」を徹底的に深く掘り下げるのがこの5つの質問ですが、この作業は「自分」を知るためのプロセスでもあります。
自分が売っている商品が「何」なのかが、実はわかっていない…
多くの、経営者、起業家、ビジネスパーソンが、自分が「何」を売っているかを把握できていないと言います。そして、前田さんのエピソードが紹介されます。
前田さんは新卒で携帯電話の営業マンをしていたそうです。
連日飛び込み営業で法人を回るのですが最初は全然うまくいきません。会社からは厳しいノルマが…
振り返ってみると、前田さん自身、何を売っているのかをわかっていなかったそうです。
もちろん携帯電話を売っているのですが、本当に携帯電話を売りたかったのか!?
前田さんが売りたいもののヒントは入社した会社の志望動機である1995年の阪神・淡路大震災にありました。
震災当時、連絡がとれずにツライ思いをした人がたくさんいて、携帯電話を普及させて、いつでも大切な人と繋がる環境をつくりたいと思ったそうです。
前田さんが売りたかったのは、携帯電話という「モノ」ではなく、携帯電話をもつことで得られる「大切な人とのつながり」だったんです。
自分の心の奥底にある「想い」を知ることで、自分が売っている商品が「何」であるかをつかんだわけですよね。
「商品」にどんな「価値」を乗せるか?
商品に乗せる価値によって伝える内容が変わってきます。
例えば、過疎地にいるおばあちゃんは携帯電話に高機能なスペックが必要というわけではありません。
それよりも、おばあちゃんが携帯を持つことで都会に出ている息子からすると、いつでも連絡が取れて安心するかもしれません。
子どもを安心させるという切実なニーズがあって、その価値を提供できるか。
「商品」には色んな価値を乗せることができます。
自分は「何」を売りたいのか?お客は「何」を求めていて「何」に悩んでいるのか?
相手によって伝える内容は違いますが、「商品」は、「想い」を込めた「価値」を乗せる器なのです。
まとめ
今回は、神田昌典さんと前田鎌利さんのスペシャル対談を紹介しました。
自分が「何」を売っているのかを知ることが最初の一歩。
商品はあくまで自分の「想い」を乗せる器です。その器にどういった「想い」を乗せるのか。
お客の欲する価値と自分の提供する嘘偽りのない価値が重なれば共感が得られて商品が売れます。
このスペシャル対談では、お客の想い、仕事に対する想い、商品への想いなど、「想い」によって人は動くということに気付かされました。