コンセプト作り

【気分は名探偵】バカ売れする商品設計のコツはお客さん像のプロファイリング!!

2020年4月29日

好青年

商品を作るときには、「売るもの」「売り方」「売る相手」の3つに注目します。

この3つの視点を持つことが大切。

この記事では、その中でも「売る相手」、つまり誰をターゲットにして売るかについて書きます。

名探偵が犯人像を推理する要領

あなたは誰に商品やサービスを提供しようとしているのでしょうか?

ここがフワッとしていると、フワッとした商品が出来上がってしまいます。

イメージとしては、名探偵が犯人像を詳細にイメージするような感じですね。

犯人像があやふやだと捜査が難航するように、お客さん像があやふやだと商品づくりも難航します。

たった一人の人物(もしくは一社)をイメージできるまでプロファイリングしてみましょう。

すると、商品設計もスムーズに進むんです。

お客さんをイメージできると商品も具体的になる

「売るもの」「売り方」「売る相手」の3つが商品設計で大切なのですが、この3つは相互に影響を与えあっています。

どういうことかというと、次の例で考えてみましょう。

例えば、「小学生向けの商品を作ろう!」と思ったらどんな商品を作りますか?

もしかしたら「おもちゃ」を作ろうとするかもしれません。

  • 小学生 → おもちゃ 

では、「小学校5年生向けの商品を作ろう!」と思ったらどうでしょう?

「小学生」から「小学校5年生」というように情報が追加されてお客さん像が少し具体的になりました。

すると、「学習教材」といった商品を作るかもしれません。

  • 小学生   → おもちゃ 
  • 小学5年生 → 学習教材

さらに情報を追加して、小学校5年生の「のび太くん向けの商品を作ろう!」と思ったらどうでしょう?

ドラえもんののび太くんの性格っていうのは日本人なら全員知っていると思います。

怠け癖があってズボラなイメージですよね。

すると「寝てても学習できる教材」「3日でケンカが強くなる道場」といったように、簡単にすぐに効果が出る商品に興味を持ちそうですよね。

  • 小学生   → おもちゃ 
  • 小学5年生 → 学習教材
  • のび太   → 寝てても学習できる教材、3日でケンカが強くなる道場

「売る相手」が明確になればなるほど、「売るもの」が明確になっていきます。

そして、のび太くんに商品についての情報を届けて売るにはどうしたらいいのかとった「売り方」も明確になっていくんです。

のび太くんの場合は、ビジネス誌に広告を出すよりも、進研ゼミのようなDMで漫画風のストーリーにして情報を届けると効果が高そうですよね。

メインターゲットのお客さんを絞り込む

「売る相手」となるお客さんを次の2つのステップで絞り込んでいきましょう。

  1. メインターゲット(お客さん)は誰か?
  2. 市場での自分の立ち位置はどこか?

これらを検討することで、どういった人にアプローチすればいいのか、差別化できる自分の強みは何なのかが明確になります。

ここで役に立つのがSTPマーケティングです。

STPマーケティング

STPマーケティングというのは、マーケティング戦略を考えるときの枠組みとして使われるもので、「売る相手」を絞り込むことができます。

セグメンテーション(S)、ターゲティング(T)、ポジショニング(P)という3つの観点から考えていきます。

セグメンテーション(S)

セグメンテーションとターゲティングで、「①メインターゲット(お客さん)は誰か?」を考えていきます。

セグメンテーションとは、STPマーケティングの最初に行うもので、市場をお客さんの年齢・性別・志向などの特徴ごとに区分(=セグメント)に分けることです。

すべての人に受け入れられる商品を作るのはとても困難。

どんなお客さんに売るのかが明確でないと「売るもの」も「売り方」も決まらないんです。

のび太くんと悟空とでそれぞれが求める商品が違うように、「40代前半の主婦」と「20代独身男性」が求めるものは違うわけですね。

だからこそターゲットを絞る必要があり、ターゲットを絞る前にどのような種類のお客さんがいるかを浮き彫りにするためにセグメンテーションを行います。

狙う市場によってセグメンテーションは変わってきますが、例えば次のようなものです。

区分 内容
性別 男性 / 女性 /不問
年齢層 10代 / 20代 / 30代 / 40代 / 50代 / 60代 / 70代~
家族構成 独身 / 既婚(子供なし) / 既婚(子供あり) / 独身(親と同居) / 独身(親と別居)
職業 学生 / 主婦 / 会社員 / 自営業 / パート・アルバイト
収入 ~400万 / ~500万 / ~600万 / ~700万 / ~800万 / ~900万 / ~1000万 / 1000万~
居住区域 地方(関東・関西・都道府県・市町村) / 人口密度(都市部・郊外) / 気候(温暖・寒冷・湿度) 
趣味嗜好 アウトドア / インドア / 高級志向 / 健康志向 / 保守的

例えば「そば」を売るにしても、関東と関西とでは味付けが変わったりしますよね。

あなたの商品に興味・関心を持ちそうな区分を見つけるために、市場を細かく分けて当たりをつけていきます。

区分 内容
性別 男性 / 女性 /不問
年齢層 10代 / 20代 / 30代 / 40代 / 50代 / 60代 / 70代~
家族構成 独身(親と同居) / 独身(親と別居) / 既婚(子供なし) / 既婚(子供あり)
職業 学生 / 主婦 / 会社員 / 自営業 / パート・アルバイト
収入 ~400万 / ~500万 / ~600万 / ~700万 / ~800万 / ~900万 / ~1000万 / 1000万~
居住区域 地方(関東・関西・都道府県・市町村) / 人口密度(都市部・郊外) / 気候(温暖・寒冷・湿度) 
趣味嗜好 アウトドア / インドア / 高級志向 / 健康志向 / 保守的 /仕事重視 / プライベート重視

ターゲティング(T)

セグメンテーションで細かく分けた市場の中から、どの区分を狙っていくかを決めます。

特に大きな価値を感じてくれたり、繰り返し購入してくれそいうな区分を優先して選んでいきます。

<ターゲット1>意識が高くやりがいのある仕事に興味のある30代男性
<ターゲット2>都会で働く20代~30代の男性

ポジショニング(P)

次にポジショニングで「②市場での自分の立ち位置はどこか?」を考えていきます。

ポジショニングとは、市場のどこからターゲットに働きかけるかという立ち位置のことです。

競合やライバルの立ち位置を把握した上で、自分の強みを生かせる立ち位置を決めます。

ポジショニングを決めるときに有効なのがポジショニングマップを使った視覚化。

次の4つの手順でポジショニングマップを作っていきます。

  1. 購買決定要因(KBF:Key Buying Factor)を抽出する。
  2. タテ軸・横軸を設定してマップを作る。
  3. マップ上に自分と競合を配置する
  4. マップを見て自分のポジショニングを決める

まずは、タテ軸とヨコ軸を決めるために購買決定要因(KBF)を考えます。

購買決定要因というのは「安いから買う」とか「質が良いから買う」などのように、お客さんが購入する決め手となる要因のことです。

購買決定要因が3つ以上あるときは、重要であろうという順番で並べて上位2つを選びましょう。

軸が決まったら、自分と競合を配置します。

もし競合とかぶっているようであれば差別化できていないということなので、ずらして差別化を図っていきます。

上記のようなポジショニングマップができた場合、競合Bと重なっていることがわかります。

この場合は、料金を安くしたり高くしたりして勝負する方法があるかを検討したり、質を高める方法を考えたりしてポジショニングをずらします。

ペルソナを設定する

STP分析によって「売る相手」がかなり明確になったと思います。

この分析結果をもとに、ペルソナを設定していきます。

ペルソナとは?

たった一人の人物をイメージするということはペルソナを設定するということになります。

ペルソナというのは、元々は「仮面」という意味ですが、ここでいうマーケティングとしての意味は「理想的(典型的)なお客さん像」のこと。

ペルソナの設定を明確にすることで「売る相手」がリアルにイメージすることができるようになり、商品が具体化していきます。

ペルソナ設定のコツは、ひとりの人がイメージできるようなリアル感が感じられるかどうかです。

例えば、「30代の女性」といったベルソナだと、それが30代前半なのか後半なのか、独身なのか既婚なのか、可処分所得がどれぐらいあるのか、そういったことがあやふやで、当てはまる人の属性が全く定まりません。

「38歳独身で自分の意思で毎月30万円ぐらい使える女性」と「31歳2児の母で旦那さんの給与が家の家計を支えている女性」とでは、売れる商品もアプローチの仕方も違ってきます。

ペルソナの作り方

ペルソナを作るときはSTP分析を元に次のステップで作るといいでしょう。

  1. 嫌なお客さん5人と利益の低いお客さん5人(延べ10人)の共通点・嫌なところを全てあげる
  2. 理想に近いお客さん5人と利益の高いお客さん5人(延べ10人)の共通点・嫌なところを全てあげる
  3. 共通点をもとに特徴とデモグラフィック(性別、年齢、居住地域、収入、職業、学歴など)を作り上げていく
  4. 写真を貼る
  5. お客さんとのやり取りのなかで検証する

このようにして作ったペルソナの例としては次のようなものになります。

ペルソナ例

これから起業する場合で、まったく一から商品を作るときは、上記の①と②の利益の低いお客さんと高いお客さんのデータがないと思います。

そういった場合は、できる限りヒアリングやアンケートなどの市場調査を行って手に入れたデータと、嫌なお客さんイメージ、理想のお客さんイメージから共通点を作り上げてください。

市場調査を行わずに自分の頭の中だけでペルソナを作ると、実際には存在しない都合の良いお客さん像ができてしまうことになります。

ペルソナは更新する

ペルソナは作ったら、作りっぱなしにしないで更新するようにしましょう。

商品を実際に購入してくれたお客さんの情報を見てみると、実はペルソナとずれていたということもあって、実際に利益率の高いお客さんに寄せたほうが売り上げが上がりやすくなります。

また、ターゲットになる見込み客の環境や情報も変わっていくので、定期的に見直してブラッシュアップしていきましょう。

売る相手が決めったら売るものをブラッシュアップ

ペルソナが決まって売る相手が決まってきたら、改めて売るものを見直してみましょう。

商品が本当にターゲットにふさわしいかを確認してブラッシュアップします。

もしかしたら、売る相手によっては商品自体を抜本的に変更する必要が出てきます。

お客さんが商品を見たときに、「これがまさしく求めていた商品だ!」と思えるかどうかを考えてみてください。

まとめ

この記事では、誰をターゲットにして売るかについて書きました。

ビジネスというはお客さんの困りごとを解決することです。

つまり、お客さんである「売る相手」をイメージすることが大切で、お客さんをイメージできていないと誰も必要としない「売れない商品」が出来上がってしまうかもしれませんし、適切な「売り方」もできません。

売れる商品を作るためには、明確なお客さん像を作り上げることが大切なんです。

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