転職は人生のビッグイベントです。転職するかどうかを迷わず決断できたらいいですが、なかなかそうもいかないですよね。後悔しないような正しい選択をしたいと思って迷うのは当然です。
この記事は、転職で迷ったときに正しい決断をする方法についてです。
目次
転職するか迷ったときに正しい決断をする方法
どっちが正しい選択だったのかは結局わからない
転職しても転職しなくても、どっちが正しい決断だったのかはわかりません。
なぜかというと、わかる結果は選択したほうだけで、選択しなかった未来のことはわからないからです。
実際に転職すると、満足する部分もあれば不満を感じる部分も出てきます。もし転職しなかった場合にどうなっていたかがわかれば、転職したほうが良かったかどうかが判断できますが、わかるのは選択したほうだけです。
結果を比べることができないので、比較してどちらが正しい選択だったかはわからないわけですね。
選んだ選択肢を正しくする
転職するのかしないのか、どちらが正しいのかわかりません。それでも正しい選択をする方法が1つだけあります。そのヒントはDeNAの南場社長の言葉の中にありました。
選んだ選択肢を正しくする
引用:不格好経営
どっちが正解かなんてわからないんだから「自分で望む結果を作り出して、選んだほうを正解にしてしまえ!」という発想ですね。
自分で人生を切り開いていく人たちとそうでない人たちの差は「自分の人生に主体的に取り組んでいるかどうか」です。人生に受け身になって振り回されていたら、どこかで何かの責任にしてしまうことも。
だったら自分の人生には自分で責任を持って、人生を切り開いていくスタンスのほうが前向きに生きていけるのではないでしょうか?
南場さんの著書である不格好経営は仕事や人生における名著です。
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【書評】「不格好経営」は経営者の心構えが書かれている
転職する判断基準を明確にする
何を重視するかの優先順位をつける
いざ転職するか考えたときに、漠然と転職するかを考えているよりも、転職するうえで何を大切にするかの優先順位を明確にしたほうが客観的に判断できます。
例えば、次のような項目が考えられます。
- 経験・スキルが生かせるか?
- 自身が成長できるか?
- 希望の仕事か?
- 希望の業界か?
- 希望の労働時間が?
- ちゃんと休日を取れるか?
- 適正な評価が得られるか?
- 人間関係は良好か?
- 成長力のある分野か?
- 社風に魅力を感じるか?
- 会社業績・安定しているか?
優先する項目があれば、逆に目をつむる項目もあるということ
全てが自分の望み通りの仕事というのはありえませんよね。だからこそ優先順位が大切です。
そして、優先順位をつけるということは、優先順位の低い項目については目をつむるということになります。
大切なのは、優先順位の高い項目が転職することで手に入るかどうかです。
自分が何を譲れて何を譲れないかの価値観を明確にして優先順位をつけると、転職するかどうかの判断がしやすくなります。
転職先を選んだ理由&転職後の満足度
既に転職した人たちの転職の決め手と、転職して何に満足しているかを見てみましょう。転職者の傾向がわかれば、自分が転職するときに何を大切にすれば実際に転職したときに満足度が上がるかの参考になります。
マイナビが転職経験のある人に行った調査を見てみましょう。
選んだ理由ランキング
何を重視して転職したのかをまずは見てみます。転職の決め手は何だったかですね。
1位 21.8% 前職より給与が上がったから
2位 12.4% 希望の仕事だったから
3位 8.8% 希望の勤務地だったから
1番の決め手はお金でした。若い世代は遊びにお金を使いますし、子供ができたら教育にもお金がかかります。自己投資や老後の蓄えにもお金は必要ですよね。
どの世代にとっても給与は無関心ではいられない項目なので、転職する理由になるのも納得です。
転職先を選んだ理由別満足度調査
実際に転職した結果、それぞれの転職理由ごとに、どれだけ満足したのかについても見てみましょう。
1位 62.5% 成長力のある分野だと感じたから
2位 61.5% 社風に魅力を感じたから
3位 53.0% 適正な評価が得られる環境だと感じたから
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7位 49.6% 前職より給与が上がったから
9位 46.3% 希望の仕事だったから
11位以下 希望の勤務地だったから
転職の決め手になった給与などの理由については、実際に転職してみると満足できる水準にはならなかったようですね。
それよりも、取り組んでいる分野の成長性や社風、正しい評価に満足する傾向があるようです。
満足度の高い転職をしようとすると、取り組む分野の将来性、社風、評価体制などを重視することが大切ということですね。
転職の不安と向き合って損得勘定をする
転職に踏み切れない理由
人は「確実なものを求めるし、損は避けたい」といった心理が働きます。プロスペクト理論というもので、ダニエル・カーネマンが2002年にノーベル経済学賞を受賞した理論です。
例えば、次の2つの選択肢のどちらを選択するでしょうか?
A:確実に10万円もらえる
B:コインを投げて決める。表がでたら30万円もらえる。ただし、裏がでたらお金はもらえない。
この場合、ほとんどの人がAを選択するでしょう。一発逆転の大穴を狙うよりも、確実で損しないほうを選択しようとする心理が働くわけです。
転職についても同様です。今の仕事を続けていると、今より悪くなることはありません。
その一方、転職すると成功するかもしれないし失敗するかもしれません。不確実なわけです。しかも、もしかしたら給料が下がったり、仕事がうまくできないかもしれません。現状より悪くなる可能性もあります。
不確実で現状より悪くなる可能性もある「転職」よりも、現状維持の「現職」のほうを選択したくなるのは、人間の心理として当然なわけです。
転職しないことは安全とは限らない
「転職しないということは現状維持。今より悪くなるわけではないので、ひとまず安心。」そう思っていたら要注意です。
気づかないところで実は損をしています。
機会費用を失っている
機会費用というのは「ある決定をしないで他の決定をしたことによって失われた利益」のことです。
転職していたら給料やスキルのアップ、新しい人間関係、将来の可能性が手に入ったかもしれません。転職しないということは、そういった利益(チャンス)を実は失っています。
自分の預金口座から100万円がなくなるといったことはわかりやすいですが、まだ手に入っていないものを失うのは想像しづらいですよね。
けれども実は機会費用という形で損をしているわけです。
時間という資産を失っている
もし転職する決断を先送りにした場合、時間という資産を失っていることになります。
お金持ちたちが喉から手が出るほど欲しいのが時間です。人生は片道切符なので、一度消費した時間は戻ってこないので何よりも貴重なんです。お金で買うこともできません。
しかも今現在の時間というのは将来の時間よりも価値が高いです。
例えば、20歳の一年と、その人が70歳になってからの一年と比べるとどうでしょうか?20歳の一年は、過ごし方によってその後の人生に大きく影響します。その一方で、70歳になってからの一年は人生の残り時間を考えた場合、振れ幅が狭くなります。
人生に遅いということはないですが、人生の早いタイミングでの変化はその後の人生に与える影響が大きくなりますよね。
転職の決断を先送りにするということは、今後の人生の可能性の幅を狭くするということになります。時間は巻き戻すことができないので、時間という資産を失っているわけです。
どっちを選択するかの損得勘定を考える
転職に不安を感じて迷うのは人間だったら当たり前の心理です。
不安は見ないようにしても大きくなるだけなので、まずは不安を感じるのは当たり前のものとして認めましょう。
そのうえで、どっちの選択をするほうが自分にとって得なのかを優先順位に従って考えていくことが大切です。
決断するのは自分。ワクワクするほうを選ぶ。
何が正解で何が不正解なのかはわかりません。
だからこそしっかりと情報を集めて、丁寧に分析し、後悔しないように行動することが大切です。
そして、最後に決断するのは自分です。「決断」という言葉は「決めて、断つ」ということ。一方を選択するということは、もう一方を断つということです。覚悟をするということですね。
二兎追う者は一兎も得ず。狙う獲物は片方に絞って、全力で追いかけるから捕まえることができます。
「覚悟をして、選択したほうが正しくなるように努力をする。」多分それ以外に私たちが後悔しない選択の方法や生き方はないと思います。
そしてどっちを選択するかのポイントは、ワクワクするほうを選ぶこと。努力は夢中には勝てません。ワクワクしているから良い仕事ができます。
まとめ:迷うのは人間だから仕方がない
リスクや損失を避けて安定したいというのは誰にでもある心理です。それなのに、転職して今の職場から離れるといった、変化することに不安を感じて迷うのは当たり前です。人間だもの(笑)
大事なのは、転職するにしても現職にとどまるにしても、決断することです。あっちにフラフラ~、こっちにフラフラ~みたいな浮気体質だと上手くいくものも上手くいきません(笑)
どっちを選択したとしても、「こっちを選んで良かった~!」と思えるぐらいの結果を自分で作りにいく姿がカッコいいですよね。
そのためにも、まずは「どうして転職するのか?」「優先する条件は何か?」といったことを明確にすることが大切です。
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