DeNAの南場智子さんの本です
DeNAは東証一部に上場している日本を代表する企業のうちの1つ
もともとはビッターズというオークションサイトから設立した会社です
いち早くモバイルに舵をきることで売上を伸ばし、
DeNAの代名詞ともいえる携帯オークションサイト「モバオク」や携帯ゲーム「モバゲー」で知名度を一気に上げました
創業者の南場さんは元マッキンゼーの経営コンサルタント
コンサルタントっていいかっこしいが多い印象です(あくまで勝手な印象です)
そんなコンサル出身の南場さんがつけたタイトルが不格好経営
何かこのギャップって興味がわかないですか?
素の真剣勝負が見れる感じがしたので、もう読むっきゃない!
どんな本?
南場さんはビジネス書をほとんど読まないそうです
理由は、成功の秘訣を語る本はすべて結果論に聞こえて、まったく同じことをして失敗する人がごまんといる現実が説明できないからだそう
それでも本書を執筆しようと思った理由は、南場さんの失敗の経験が役に立つ真実と思われたから
そのため、南場さんの失敗が赤裸々に書かれています
例えば、ソネットとリクルートにそれぞれ5,000万円出資してもらってつくった会社でオークションのサービスをつくることになりました
着実に開発が進んでいると報告が上がってきていて、開発が完了したまさにその日に衝撃の事実が発覚します
開発完了したはずが、実際はコードが一行も書かれていなかった!!
???
まさに悪夢
こんなことって想像できますか?
ソネット(親会社はソニー)とリクルートと組んで進めていて、特許関係も全部調べ尽くして、いよいよというときに、肝心のシステムが全くできていない
依頼していたシステム会社の社内のいざこざの影響で、嘘の報告が上げられていたそうです
責任者が自分だったらと思うとゾッとしますよね
冗談みたいな話で本書は始まりますが、これが出だしの30ページぐらいまでの出来事
全編通して、うまくいったことも失敗したことも引っくるめて、リアルに書かれている本です
本書を読んでいて、僕の心に響いたのは
- 狙ってもなかなか達成できないような難しいことが、狙わずにできるはずがない
- 今を起点にベストを尽くす
- 選んだ選択肢を正しくする
一つずつ見ていきます
①狙ってもなかなか達成できないような難しいことが、狙わずにできるはずがない
イメージできたものは現実に起こり得るけれども、イメージしないと何も起きない
当たり前ですけど大事なこと
アポロ計画も、ケネディ大統領が10年以内に人間を月に送り込むと言ったから実際に10年弱で実現しました
人間は楽をしたい生き物なので、漫然とただ頑張っていてもなかなか成果は上がりません
まずは高い目標を掲げてそこを本気で狙いにいったときにだけ実現の可能性がでてきます
言ったからにはやる必要がでてきますけどっ!
②今を起点にベストを尽くす
何かポカをしたとしても過去は変えられないので後悔していても何も始まりませんよね
ああしておけばよかった、こうしておけばよかった
いつまでも気にしていてもテンションが下がるだけですし
大事なのは今この瞬間からベストを尽くすこと!
そして望む未来を手に入れること!
③選んだ選択肢を正しくする
この言葉は僕にスゴクささりました
世の中は不確かなことだらけです
正解があるのは学校教育までで、社会に出たら正解といったものがありません
自分が常識だと思っていたことも、人によっては非常識ですし、国によっても違います
選択肢は無限にあるし状況も刻々と変わっていきます
何かを選択する時点ではそれが正解かどうかはわかりません
例えば、手元にお金が100万円しかなかった場合を想像してみてください
1万円の宝くじを買おうと思って友人にお願いして買ってきてもらったら、何を間違ったのか100万円分買われていた
ナンテコッタの手元資金100万円がすっからかん
もしかしたら友人に怒りをぶつけてしまうかもしまいません
けれども、宝くじの当選発表を見てみると、100万円分買ったおかげで3億円当たったとしたらどうでしょうか?
最悪だった気持ちが一瞬で天にも昇る心地になるのではないでしょうか
こうなってくると何が正解で何が不正解かは分からないですよね
確かなことがないなかで、どういった行動をするのがいいのか
それは、選んだ選択肢を正しくすること
正解がないのであれば自分で望む結果を作り出して選んだ選択肢を正解にしてしまえ!!
カッコイイ!!
まとめ:経営者の心構えが書かれている
南場さんのDeNAでの飾らない奮闘が綴られていました
現場の人たちがどう感じているかはわかりませんが、温かい会社だなと感じました
DeNAの社訓的なものに「DeNA Quality」といったものがあります
その中の1つが球の表面積というもの
球体って上も下もなく、何かに当たるときに接触する点は1つ。
その接触点が社員を表していて、一人が全社員の代表としてコトに当たるということ(合ってる?)
代表が常に戦っているから、現場にもそれを求めるし、個が期待される環境って楽しそうな気がします
本の結びにこう書かれています
私たちは夢に近づいただろうか。これからもっと近づけるだろうか
この少年のような気持ちとハングリーさがカッコイイ!
経営って泥臭いけれども社員を家族のような思える経営って素敵と思える本!
経営者の仕事は決めることといった現場の雰囲気が伝わってくる内容でした
以上、書評でしたっ