バリ島に住む日本人の大富豪アニキ。
バリ島での資産は圧倒的で、
現地関連会社29社を所有し、
現地人従業員は5300名を超え、
自宅がなんと25軒、
さらに800ヘクタール(東京ドーム170個分)の土地を所有する
世界レベルのウルトラ大富豪。
困っている人には惜しみなく手を差し伸べ、現地の人からも「アニキ」「マルさん」「ボス」などと呼ばれて慕われているそうです。
私の友人も直接会いに行ったという話を聞いていたので、以前から気になっていました。
Amazonのプライム・ビデオで大富豪アニキをテーマにした「神様はバリにいる」を視聴したところテンポの良さに引き込まれ、そのまま本書を手に取り読破。
アニキの人柄が伝わってくる良書。
生き方の本です。
目次
どんな本?
年収295万円、31歳ダメサラリーマンの鈴木一郎(いっちゃん)が、バリ島に住む世界レベルのウルトラ大富豪アニキに出会い、「25の教え」を授かり、人生の大逆転をはかる物語。
主人公のいっちゃんの質問にアニキが一秒で即答していく形で物語は進行していき、アニキの「25の教え」をいっちゃんが実践して成長していく姿が綴られています。
人柄が溢れるアニキの教えは、とてもシンプルで明快。そして大きな納得感があります。
ストーリーを通しての教えなので、スーッと頭の中に入ってきます。
【兄貴の教え 1】一番大切なのは「相手を自分ごとのように大切にする心」
ほとんどの人は、「口だけ番長」で、言葉で心配するだけで、行動に移さんもんやから、「結局、他人ごとだよな…」って、相手に思われてしまうんやて。
就職活動にしても何にしても、人は自分のことについては必死。けれども、他人のことについてはあくまで他人事。
けれども、誰かが困っているときに、自分ごととして捉えてできることをすると相手との関係も深まります。
「愛の反対は憎しみではなく無関心」
つまり、「相手に関心を持つことが愛」
自分と他人を区別するのではなくて、共通点を探して、必死で共有していくことで、強い信頼関係が築けます。
【兄貴の教え 9】仕事で生き残る人の条件は、義理と人情と職人技
「合理化」というのはな、いっちゃん。必要なことではあるが、やりすぎはアカンのやて。せやけどな、「合理化」をやりすぎてしまったあまりな、すべて、分けて、区別してしまって、「人情」とか「愛情」とか「友情」とか「同情」とかな、日本人にとって大切な、「情」という漢字がつくものが、仕事場からも家庭からも、希薄になってしもたんやな
(中略)
仕事の世界でもな、「職人」という、手間ひまかけてきた人間こそが、これからの時代、生き残っていけるんやて。「職人」ちゅうのはな、なんらかの「自分にしかできない技術」を持った、プロフェッショナルな人やろ?
(中略)
プロフェッショナルな人はな、手間ひまかけんとできあがらんわけやから、均一のモノを大量生産する「合理化人間」とは正反対にいる人間やな。こういう「手間ひまをかけた人間」こそ、これから、バコーンと大活躍する時代が来るねんて。
アニキは人間味を持つことが大事と言っています。
合理化は大事ですが、合理化が行き過ぎると、義理人情もない味気ない関係になってしまって、取引もスパッと終わってしまうことになりかねません。
合理的に仕事をすると、少しでも安い方に発注をかけ、労働力もできるだけ安くなるようにしていく。
人とのつながりや、専門技術がいらなければ、それこそコストの安い海外の労働力を使って安く生産してしまえばいいだけの話。結果的にどんどん自分たちの首を締めることになります。
だからこそ、義理と人情と職人技で仕事をすることで、ぶっとくて長いつながりをつくることです。
マニュアル人間ではなく、人間味を大切に。
【兄貴の教え 21】生きる目的は、少し良くして次の世代に伝えるため
いうなれば、オレたちはな、駅伝でいうところの「タスキ」なんや。リレーでいうところの「バトン」やな。ようするにな、「次の世代の人たちに、伝えなければならない使命」があるんやて
(中略)
タスキやバトンを「ふつうに渡す」だけではダメなんや。そしたら、「自分が生きてきた意味」がないやろ。自分が生きてきた意味を持たすためにはな、どうしたらいいか、いっちゃんわかるかや?
(中略)
それはな…、自分が生きている間に、自分のところでがんばってな、少しよくして次の世代にタスキを渡さなくてはいけないんや
主人公のいっちゃんがした「大成功したい!けれども、最終的に、何を目指して頑張ればいいのか?」という質問に対しての、アニキの生きる目的についての考えです。
普段快適に生活できているのは、私たちより前に生きてきた人たちが、人類の歩みを進めてくれていたから。
世代世代で少しずつ発展させてくれていたからこそ、私たちが今の生活を享受できているわけで、それを今度は私たちが少しでも良くして次の世代に渡していくこと。
ご先祖様に感謝しつつ、命の限りを燃やしきって去っていく。それってさわやかですよね。
まとめ
本書は大富豪アニキの人生哲学がたっぷり詰まった本でした。
アニキの「25の教え」はどれも素晴らしく、自分の人生に取りれたいものばかり。
アニキは、バリで雇用を生み出し、52人の里親であり、多くの人を幸せにしている成功者だと思いますが、本書でアニキの考え方に触れると、「そりゃ成功するよね」と思える素敵な教えでした。
アニキが本書で書いているとおり、
続けること、継続すること。それだけやで
いくらいい教えだったとしても、実践して、それを継続していかないと机上の空論。
実践してこそです。
定期的に読み直して、腹落ちさせたいと思える良書でした。