ついつい人の悪いところに目がいくことってあると思います。
人の粗探しみたいでイメージが悪いですが、これは先天的なものなので仕方のないこと。悪いところに気付かないと外敵に対して無防備な状態なので、防衛本能として備わっています。
逆に、人の良いところを見つけるのは後天的なもの。自分を磨くことで徐々にできるようになっていくもの。
今回はゲシュタルト的思考から人の良いところ探して人間関係を良好にするコツを紹介します。
ゲシュタルト的思考
欠けた円
次の2つの円を見たとき、どこに目がいきますか?
おそらく右の円の欠けた部分に目がいくと思います。
この円はゲシュタルト心理学で有名な「欠けた円」。人間は欠けている部分に注目するという例で使われます。
ちなみにゲシュタルトとは
「ゲシュタルト」、なにやらカッコイイ響きですね。ゲシュタルトというのは全体性のこと。
例えば、音符1つ1つでは意味をなさないですが、音符が連なると音楽として認識できます。
もしくは、デジタル写真にしても、ドット1つ1つでは単なる点ですが、全体としては写真として認識できます。
部分の寄せ集めとしてではなく、ひとまとまりとしてとらえること、この全体性をゲシュタルト(形態)と呼びます。
ゲシュタルトを人に当てはめてみると
人には良いところもあったり悪いところもあったり。
また、自分の常識は他人の非常識。時代によっても常識は変わるので、世の中には完全な人間はいません。
良いところだけしかいない完全な人をまるい円とするなら、人間は誰しもゲシュタルトの「欠けた円」のようにどこかが欠けています。
その欠けた部分にフォーカスするのか、それとも欠けていない部分を見るのか。
人は誰しも欠点ばかりを指摘されると嫌ですよね。
加点主義と減点主義
人を評価する場合に2つの見方があります。それは加点主義なのか減点主義なのか。
加点主義
できないことが前提。
できなくてもいいんじゃないか。これからできるようになるさ。そういった発想です。
1+1+1…… = できる楽しみ
できることが評価の対象なので、できればどんどん褒めます。
減点主義
できることが前提。
できなければならない。できないことはダメなんだ。そういった発想です。
100-1-1-1…… = できない苦しみ
できて当たり前なので、できないとどんどん評価が下がっていきます。
注目するのはできている部分
人は誰しも自分は優れていると思いたいものです。
ただ、何も考えないでいるとついつい相手の欠点に目がいってしまうもの。欠点ばかりを指摘していると、相手の自尊心が傷ついてしまい人間関係も悪化してしまいます。
減点主義よりも加点主義。
過去の失敗に焦点を当てるのではなく、できている部分や良いところに焦点を当てることが人間関係を良好にするためのコツです。
まとめ
今回は、ゲシュタルト的思考による相手のイイトコ探しを紹介しました。
相手の欠点が目につくのは仕方のないことです。それは人間の本能的なものです。
社会に出てしばらくしてから新入社員を見ると、彼らのできない部分が目立つかもしれません。
また、関係性がいい人だと良い面を見る傾向がありますが、関係性が悪化すると悪い面や欠点がより一層目に付きます。
そんな時こそ、ゲシュタルトの「欠けた円」を意識してみて、欠点を見るのではなく相手の良い面を見てみることが関係性を改善するキッカケになります。