大きな仕事につながるプレゼンであったり、大切な商談など、自分の準備不足で望ましい結果が得られなかったという経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
そういった失敗経験があるからこそ準備の大切さが身に染みると思います。
当日の本番は大事ですが、本当に大事なのは事前の準備。
準備こそが成功への近道であり、十分な準備こそが望ましい結果を手に入れる唯一の方法です。
準備をしないのは、「過信」しているのか「怠惰」なのかどちらかでしょう。
今回は、事前準備を怠る理由である「過信」と「怠惰」についてとイチロー選手の準備の美学についてです。
「過信」であしもとをすくわれる
自信を持つことは大事ですが、それが間違った方向にいくと足元をすくわれかねません。
歴史を見ても明らかですよね。
調子に乗った時にだいたいやられています。
平家にあらずんば人にあらず
調子に乗ってしくじったのが武家の名門である「平氏」。
1156年の「平治の乱」で永遠のライバルである源氏を滅亡させます。
平家は武士のトップとなり、朝廷を掌握し、武士が政治を行う礎を築こうしました。
ここから、のちの鎌倉幕府から大政奉還で終わる江戸幕府までの武士政治の幕開けです。
平治の乱後、平清盛は武士として初めて「太政大臣」に任命されます。
太政大臣とは、「太政官」という最高国家機関のリーダー。
さらに、自分の娘を天皇に嫁がせたり、中国の宋と貿易を成功させ莫大な富を得ます。
まさに「平家黄金時代」ですね。
この頃に言われたのが、「平家にあらずんば人にあらず」です。
なかなかの調子の乗り具合ですね。
そして、調子に乗った結果、平氏は源氏に壇ノ浦の戦いで敗れ、滅亡することになるのです。
本能寺の変
歴史ファンから人気の高い織田信長も調子に乗ってしくじりました。
尾張の小国の大名に過ぎませんでしたが、有力大名の今川義元を桶狭間で破り、楽市楽座や南蛮貿易などで経済を活性化させるなど、本能寺の変で討たれなければそのまま天下統一をした可能性の高い戦国大名です。
本能寺の変が起きたのは、畿内も平定して、全国平定の戦略が各地で着実に進行しつつある時期。
織田軍は西国・四国・北陸・関東に出払っており、畿内には遊撃軍のような役割の明智光秀が残されていました。
いくら自分の領地とは言え、わずかな小姓衆(将の身辺に仕え、諸々の雑用を請け負う職)のみを連れて安土城から上洛。
本能寺で茶会を開いた夜に、家臣の明智光秀に討たれました。
天下統一間近の戦国大名にしては致命的な油断です。
「怠惰」は人生の浪費
なまけている状態というのは目の前の仕事にワクワクできていないことが原因でしょう。
仕事に限らず、本人が楽しみにしていることが目の前にあったら自然と体が動くものです。
怠け心が顔を出すのは、本当はやりたくないことをやろうとしているから。
もし今日が人生最後の日だったら、僕は今からすることを“したい”と思うだろうか? その質問に対して、あまりにもノーが毎日続くようなら、それは何かを変えないといけない証拠だろう。
引用:スティーブ・ジョブズ
疲労がたまっているせいでダラダラしてしまうとすれば休養が必要。
けれども、もしやりたくないことを続けようとして怠け心が出てくるとしたら新しい行動が必要になります。
目の前の仕事の意味を捉え直すのか、もしくは本当にやりたいことに舵を切るのか。
何にせよ、怠けている間にダラダラと時間は過ぎてしまっています。
もったいないですよね。
イチロー選手に学ぶ準備
「準備」という言葉を聞くとイチロー選手がまず思い浮かびます。
ルーチンを大切にしていて道具の手入れも入念。
試合で最高のパフォーマンスを発揮してお客を喜ばせる姿勢はプロフェッショナルの理想のあるべき姿ですよね。
イチロー選手の準備についての動画がMLBの公式Youtubeチャンネルで配信されて話題になりました。
タイトルは『The Art of Preparation』(準備の美学)。
「準備をするというのは、その日1日が終わった時に後悔をしない。言い訳の材料を作らない。1日終わった時に『あー、今日はあれをやらなかったな』とか『これをやっておけば良かった』、そういうことを1日が終わった時に思いたくないので、後悔しないためのものであると言えると思います。おそらくいい思い出、一番いい思い出ができるのは、僕が野球を辞めたあとじゃないかなと思っています。今は、昨日できなかったこと……が、一番悔しい思い出として残っています」
準備とは、「後悔をしないこと」「言い訳の材料を作らないこと」
勝負の瞬間に自分のチカラが発揮できないのは悔しいものです。
そのために万全の準備を整えているわけですね。
まとめ
今回は、事前準備を怠る理由である「過信」と「怠惰」についてとイチロー選手の準備の美学についてでした。
本番にいかに上手くやるかに注目されがちですが、実際のところは準備の段階で8割方の勝負は終わっています。
例えば、プレゼンで有名なスティーブ・ジョブズ。
彼は何週間も前から準備を始め、5分間のデモのために何百時間も費やしたそうです。
準備がいかに大事かがわかるエピソードですよね。
馴れたときこそ準備が大事。
イマイチやる気がでないときこそ準備が大事です。