なかなか上達しない状況ってもどかしいですよね。
そういったとき、練習「量」を増やすアプローチを取るのか、もしくは上手にできるように「質」を上げるアプローチを取るのかの二択になります。「量」を重視するのか、もしくは「質」を求めるのか。
普通は、最小限の努力でどうやったら「質」を高められるかの発想になりやすいです。けれども、上達しようとしたときに大事なのはまずは圧倒的な量をこなすアプローチのほう。
この記事では、そのための量質転化という考え方を紹介します。
量質転化
何かに取り組む時、最初から上手くいくように「質」を求めることが多いと思います。
例えば英会話の練習をするときはどうでしょうか。多くの人は「上手に」話すことを意識して、「正しい文法」と「きれいな発音」で話そうとします。おかしな文法や発音だと笑われてしまうので、上手に話そうとしませんか?。これは「質」を意識したアプローチになります。
一方、「量」を意識したアプローチの場合はどうでしょう。間違えたり上手くいかなかったとしても、「たくさん」英語で会話をしようとします。英語漬けの生活ですね。
この場合、どちらのアプローチが上手くなるかというと、たくさん話そうとする「量」のアプローチを取ったほうが上手くなります。
無駄なことや失敗はしたくないので、ついつい「質」からのアプローチを取ってしまいがち。けれども、どんなことにおいても上達の1番の近道は大量行動、すなわち「量」です。
自転車に乗ろうとしたときも、自転車に乗るメカニズムを理解して、頭の中でたくさんシミュレーションをしても、実戦で乗る練習が週に一回とかだといつまで経っても乗れるようになりません。何回コケたとしても繰り返し練習しているといつの間にか乗れるようになります。
営業の仕事でも、一ヶ月で100アポしている人のほうが10アポしかしていない人よりも確実に成長します。
「量」をこなすにつれて「質」が上がっていく考え方を、量質転化といいます。
頭の中であれこれ考える前にまずは大量に行動。そうすると成長(質の向上)します。
どれぐらいの量が必要か?
「天才!」という本の中で紹介されている「一万時間の法則」というものがあります。
どんな分野でも、だいたい一万時間程度継続してそれに取り組んだ人は、その分野のエクスパートになるという経験則です。
「一万時間」という時間はあくまで目安で、取り組むジャンルやPDCAの回し方で必要とされる時間は違ってきます。けれども、何かのジャンルで秀でた存在になろうとするなら、才能のあるなしにかかわらず、まとまった時間を投下する必要があるということは知っておいたほうがいいでしょう。
一万時間だとピンとこないかもしれませんが、一日9時間を3年間毎日継続すれば到達できるぐらいの時間です。一日3時間だと9年ほど。
もし何かのエキスパートになりたければ、一日の24時間のうち、どれだけの時間をその分野に振り分けるかで熟達のスピードも変わってきます。
楽天の三木谷さんの言葉が核心をついていますね。
スピード!!スピード!!スピード!!スピードが未来を決めるのだ
引用:成功のコンセプト(三木谷 浩史)
一流のビジネスマンの行動量は?
サイバーエージェント:藤田晋
大量行動で印象的なのはサイバーエージェントの藤田晋さん。
2000年、26歳当時、東証マザーズ上場を当時史上最年少で果たします。新入社員時代や創業期は一日の時間のほぼ全てを仕事に振っていたそうです。
著書の中で新入社員当時の働き方を振り返っています。
私は最初から毎日終電ぎりぎりまで働きました。
土日も当然のように出社して仕事をしていました。
最初は同期入社の社員たちも同様でした。
「藤田より先には帰らない」
ところが働いている時間の長さで張り合ってくる変な同期もいたので、朝、始発に乗って誰もいない時間に会社に来て、早めに退社するスタイルに切り替えました。
(中略)
朝早い時間も土日の時間も、仕事がなければ自分で探してでもやっていました。誰かに振られた仕事はもちろん断ったことがありません。
引用:渋谷では働く社長の告白
創業期には週に110時間労働を目標に掲げたりしたそうです。
週110時間ということは、9時に出社するだろ、そして深夜2時まで仕事する。それを平日5日間。あとは土日に12時間ずつ働くと110時間だ
引用:藤田晋
圧倒的に時間を投下しているので、圧倒的な成果につながっています。
フォーブス誌によると2018年3月時点の総資産は1390億円で、日本長者番付36位。
もし、圧倒的な成果を出したいのであれば人の何倍も働くことが鉄則。私の知る限りではワークライフバランスを謳って大成功を収めた人は今のところいません。
人生のどこかでプライベートとのバランスを崩してでも、狂ったように働いている時期があります。
ソフトバンク:孫正義
日本を代表する経営者の孫正義さん。
孫さんの時間の使い方は常軌を逸したレベルです。
皆さん食事する時、たいがい両目でお皿見て食べるでしょ。僕はね、そんな贅沢はなかったんですよ。そんなことはできない。必ず、食事する時も教科書をにらみながら、視野の端っこにボーッっと見える皿にフォークを突き刺して、とりあえず刺さったものを食べる。時々こしょうみたいなのがそのまま入って「あーっ」と叫んだりすることも。それくらいの状態でね、勉強してました。
引用:logmi
大学生の頃は食事の時間もひたすら勉強に没頭。両目で皿を見る暇があったら、その分の時間を勉強にあてていたほど徹底しています。
一万時間もあっという間にクリアしてしまう勢いですね。
大成功を収めている人たちは、常識の外のレベルで努力をしています。
まとめ
今回は大量行動の先に質の向上があるという量質転化を紹介しました。
上手くいくことを期待しすぎるあまり、なかなか上達しないことに嫌気がさして挫折してしまうことがあると思います。
ただ、何事においても上達するためには、まとまった量をまずはこなすことが大事。量をこなすと質が上ってきます。
量のこなさない質だけを求めると理屈に合わないことになります。英会話の練習をほとんどしないでいきなりペラペラ話せるようになることはないですよね。
なかなか上達しない場合は量が足りていないことが多いです。
まずは大量行動。その先に質がついてきます。
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