小さい頃から読書は大事と言われて育ったと思います。活字離れがどんどん進んでいるは、読書が大事とは言われたけれども「頭が良くなるから」ぐらいしか聞いてなくて、なかなか本を読むことのメリットまで教わる機会がなかったせいかもしれません。
この記事では、本を読みたくなる読書の5つのメリットについてです。
目次
読書をする意味
そもそもどうして本を読むのかについてまず最初にサラッとおさらいです。
本というのは情報を伝えるための手段の一つで、本があるから情報を伝えることができます。
どういうことかというと、「文字」というものが発明され、その流れで本という形態も生まれるわけですが、文字や本が発明されるまでは情報を伝えようとすると口伝えで行われていました。つまりは、歌いついだり、語りついだりして、口から口へと伝えられていたわけですね。
けれども口伝えというのは、情報を広範囲にわたって確実に後世に伝えるには向いていないわけです。口伝えだと伝言ゲームになってしまうので、途中からどんどん違う話になってしまって、最後の方は全く違う内容になってしまいます(笑)
動物たちと全く違う次元にまで発達した人間の文明は、文字の発明がベースになっています。あとの、いわゆる「発明」は、この文字の発明があったからこそです。
「コペルニクスの地動説」も「アインシュタインの特殊相対理論」も「シェイクスピアのロミオとジュリエット」も文字があったから成立しているわけですね。
文字が記されている本というものは、私たちが人間らしく生きるためのベースとなる知識の集合になるわけです。
もし世の中から紙や電子の本がなくなってしまうと文明自体が崩壊してしまうわけで、本を読むということは文明の維持と発展には欠かせない行為ということになります。
本を読むことは人に会うということ
読書をすることで、時間と場所を超えて人に会うことができます。つまりは著者と会えるということになります。
本というのは何かしらの情報を伝えるためにあります。科学文献にしてもビジネス書籍にしても小説にしても、著者が伝えたいことが本には書かれていて、本を読めばその伝えたい内容を知れることが読書の最大のメリットです。
本がないと、また昔のような口伝えの文化になってしまいます。もし本がなければ、ホリエモンの考えを知りたいと思ったらホリエモンにアポを取って直接聞きに行く必要がでてきますが、本だとAmazonに1,500円ほど払えば自分がどこにいようがホリエモンの考え方に触れられるわけです。
生きている人ならまだしも、松下幸之助さんのような故人には、本がないとその考え方に触れられないわけです。
本というのは、時間と場所を超えて人に会える優れたツールなんですね。
読書で得られる5つのメリット
前置きが長くなってしまいましたが、本題である読書のメリットを5つ紹介します。読書は人に会うことという視点から、どんな人と会えるかというイメージでお伝えしますね。
物知り博士と話せる
技術文章にしても辞典にしても、膨大な情報が本の中には収められています。
例えば、AIのことを知りたいと思った場合、周りにAIの研究者がいれば直接聞けるのですが、なかなかそうもいかないですよね。
本を読むということは何でも知っている物知り博士と話をするようなものです。索引を使えば聞きたいことを何でも答えてくれます。
賢い人と話せる
松下幸之助やデール・カーネギーといった賢人に会うことができます。
松下幸之助の『道をひらく』やデール・カーネギーの『人を動かす』などの世代を超えた名著を読むことは賢人に会うようなもの。私たちの周りにも村の長老的な人がいて、そういった人からの学びも多いですが、それとは別に世界の賢人と話せる機会は貴重です。
日本の長者番付のソフトバンクの孫さんやユニクロの柳井さんとも本の中で出会えるわけです。
ストーリーテラーと話せる
「人志松本のすべらない話」のように話し上手な人の話って聞いているだけで面白いですよね。
坂本龍馬が日本を洗濯する活躍劇や、半沢直樹のような小説に熱中した人も多いのではないでしょうか?ハリーポッターのようなワクワクするストーリーも本がなければJ・K・ローリングから直接物語を聞く必要が出てきます。
本というのは物語を語るストーリーテラーから話をきくようなものでもあります。
彼らが語る冒険活劇に心が踊ったことで、何かに挑戦しようとする人もいるんじゃないでしょうか。
学校の先生と話せる
本は学校の先生のようにいろんなことを教えてくれます。
教科書や習字などの教本はもちろん、マーケティングの方法やお金の稼ぎ方まで、丁寧に黙々と教えてくれます。
読書には語彙力や読解力を高める効果もあるので、それは優しい国語の先生から教わっているようなものなのかもしれません。
子供の頃に戻って親と話せる
ベッドに入って読む小説は、小さい頃に親からしてもらった子守唄や寝る前のお話のようなものかもしれません。
ワクワクしたりリラックスしたりして気持ちよく眠ることができましたよね。
読書にはストレス解消の効果もあります。それは子供の頃の親からもらった安心感に近いのかもしれません。
注意:読書の危険性は知識のテンプレートを手に入れて満足すること
読書にはいろんなメリットがあります。本が情報の伝達手段であることを考えると、著者に会いにいくようなイメージです。
ただ、読書をするうえで気をつけなければいけないことは、書かれていることを鵜呑みにしてしまったり、手に入れた知識を自分で消化しないまま受け売りで使ってしまうことです。
本から手に入れた知識は、いわば借り物の知識。自分のものではありません。「あの人が言っていたから」と鵜呑みにするのは洗脳されているのとそれほど変わりません。会話でもディスカッションをすれば深く考えることができますが、借り物の表面上の浅い理解は邪魔になることさえあります。
例えば読書の結果、「日本の人口は減少傾向にあって2055年には一億人を割り込む。高齢者社会が進むため先行きが暗い」といった知識が手に入ったとしてます。この知識をそのまま口にしていても何の進展もありません。
それよりも、「高齢者が増えるということは、健康的な和食ブームが来るかもしれないので逆にチャンスなのでは?」であったり「在宅でもできる労働力が大量に発生するので、高齢者をターゲットにした在宅でもできる仕事の斡旋業が流行るのでは?」といった本からの情報にプラスαで思考をすることが大切で、下手に知識だけ仕入れると思考停止になってしまいます。
本から手に入るのは、いわば知識のテンプレート。そのテンプレートを自分でカスタマイズすることで知識が知恵になります。
逆に知識のテンプレートをありがたがって使いまわしていても、その知識は既にありふれている情報。世の中としてはそこに大して価値がないわけです。テンプレの知識や人生っていうのも寂しいですしね。
本ではなくてインターネットでもいい?
情報を手に入れる方法は本だけじゃなくて他にも色々ありますよね。インターネットを使えば本よりも速く簡単に、しかも格安で情報を手に入れられるので便利です。
それでもどうして本が大切かというと、読書にはインターネットでは手に入らない上質で整理された情報があるからです。
読書の必要性については次の記事にまとめているのでご覧ください。
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読書はなぜ必要?読まないと知らないうちに損している本の魅力
まとめ:読書は人に会うのと同じ
本は情報を伝えるための手段です。誰からの情報かというと著者からであり、著者の知恵や経験を凝縮した知識やワクワクするような物語が本に書かれています。
本を読むことは、その著者に時間と場所を超えて会うようなもの。多忙な著者や海外の著者はもちろん、故人である著者にも会うことができます。
読書のメリットというのは、そういった人たちに会えることであり、手に入れた知識を自分の人生に活かすためのチャンスを手に入れられることです。
読書をしないということは、賢人や先生や話が面白い人との出会いを棒に振るようなもの。本を読まなくても生きてはいけますが、なんかもったいないですよね。