書評(という名の感想)

【書評】「天才はあきらめた」は天狗になっている人は読むといい

2018年11月16日

天才はあきらめた

南海キャンディーズの山ちゃんこと、山里亮太さんの本です。

かなりうろ覚えですが、山ちゃんが出ていたTV番組で、「こいつって、自分が出たTV番組を録画して見直して、ウケたとことか全部書きだしてるんだぜ~」といった感じで山ちゃんがイジられていました。

イジっていた芸人さんからすると、自分が出ていた番組を全て録画していることがナルシストっぽかったり、ナヨナヨと書き出していることを小馬鹿にしている感じでしたが、「地道な努力ができる山ちゃんってすげーな~」と思っていました。

そんな山ちゃんの「天才になりたい」という本が文庫本化されて「天才はあきらめた」として発売されたので、その努力の裏側を覗いてみたくて本書を取りました。

誰もが自分は天才であることを願いながら、現実と戦っているので、どこか共感するタイトルですよね。

どんな本?

山ちゃんがまだ売れる前の、しずちゃんとは別の人とコンビを組んでいた頃から、2018年の南海キャンディーズ初の単独ライブである「他力本願」までの、山ちゃんの心の葛藤が書かれています。

歴代の相方を罵倒したり理不尽な要求をしたり、周りから馬鹿にされたことをノートに書いておいて、いつか「復讐」することをモチベーションにしているなど、ドロドロとした山ちゃんの人間味あふれる姿が赤裸々に書かれています。

とにかく努力の量が尋常じゃないです。

口だけのお調子者とかでは決してなくて、地道にコツコツと諦めないで努力している姿がカッコいいと思えます。

キレイではないけれども、ドロドロとした山ちゃんの生命力を感じられる本です。

逃げるという選択肢がなくなるぐらいの努力

向いていないという答えを出すと、その瞬間にそれは「サボる理由」に変化してしまう。

だから必死でその答えを無視するために、逃げるという選択肢なんて思いつかないくらいの努力をしようと思った。

とにかく山ちゃんの努力の量が普通にカッコいいです♪

弱い自分を自覚しつつも、ストイックに努力を積み重ねていく。

芸人養成所時代、みんながサボっているときでも、ネタ見せだけは必ずやっていたり、みんながやったほうがいいと分かっているけれどもやらないことを、地道に当たり前のようにやっています。

何事においてもすぐに結果が出ないと、向いていないんじゃないかと言って「やらない理由」や「サボる理由」を考えてしまいがちですが、それすら思いつかないぐらい努力をする。

駄目だからやらないのではなくて、駄目な自分だからこそ努力量を増やす。

そういった生き方って、人としてカッコいいですよね。

人を下げるより、自分を向上させる

自分は本当は立ち往生しているのに、後ろをついてきてくれている仲間を下にどんどん他落としていくことでできた距離を、自分が昇っていると勘違いしているだけなんだ!と…

人を下げることで自分が上がった気になることってあると思います。

人を小馬鹿にすることで自分が少しエラくなったと感じることって。

ちっぽけな自己重要感やプライドを満たすために、口に出そうが出すまいが、人を下げることってやってしまいがちだと思います。

けれども、そういうのって、あまりカッコいい生き方ではないですよね。

人を下げるよりも、自分を向上させる生き方って素敵です。

受け入れて正しい努力をする

でもやっぱり僕は天才にはなれない。

でも、この事実をあきらめる材料にするのではなく、目的のために受け入れ、他人の思いを感じて正しい努力ができたとき、憧れの天才になれるチャンスがもらえる。

駄目だからといって悔やんだりするのではなく、それを糧にして行動に移せるかどうか。

失敗するとマイナスのほうに目がいきがちですが、そんな中からプラスを見出して自分を勇気づけて努力することって大切です。

まとめ

山ちゃんの生き方は清流というよりもドロ川みたいな感じで、決してキレイという印象ではないですが、努力することに対して誠実な印象を受けました。

どの業界でも、充分な努力をしないまま諦めていく人もいますが、山ちゃんの掲げた目標に対する行動力は単純にカッコいいなと。

だいぶドロドロしたメンタルですが(笑)

努力できることが才能と言いますが、まだまだ自分も努力の量が足りないのではと感じさせてくれる一冊です。

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