起業してビジネスをしていくためには、ビジネスモデルを考えることになります。
ビジネスモデルとは、ビジネス全体の流れと、お金(売上)と顧客の流れを設計したものであり、継続的な収益を上げるための仕組みのこと。
つまりは「稼ぎ方」です。
そして、ビジネスモデルをつくるときに「商品づくり」は不可欠であり、とっても大切な要素。
売れない商品を一生懸命売ろうとするよりも、売れる商品を売ったほうが売上に繋がりやすいからです。
この記事では、どのように売れる商品を作るかについて書きます。
目次
困りごとがビジネスになる
ビジネスの基本であり本質は「お客さんの困りごとを解決すること」です。
「ビジネスのアイデアが浮かばなくて…」といった声を聞くことがあります。
けれども、日本の人口は2020年4月で1億2596万人、世界人口は70億人以上います。
人の数だけ困りごとが存在しているので、世の中にはビジネスチャンスが溢れているんです。
これだけの困りごとがあるのに、もし売る商品が思いつかないとしたら理由は明らか。
お客さんの視点で発想していないからなんです。
商品を考えるときに「私は何をしたいんだろう?」「私には何ができるんだろう?」といったことから考え始めると思いますが、あなたに何ができたとしても求められていないのであれば商品は売れません。
誰がどんなふうに困っているかを明らかにすることが先決なんです。
マーケットインとプロダクトアウト
商品を設計するときにプロダクトアウトとマーケットインという考え方があります。
プロダクトアウト
「商品ありき」でこれを売ります、という進め方です。
圧倒的で明確な自分の強みがあったり、SNSのフォロワー数が多いようなインフルエンサーであれば有効です。
「良い商品」は売れますし、固定ファンがいればそれだけで売れるからですね。
例えば、ガラケー全盛期に投入されたAppleのiPhoneのような商品は、プロダクトアウトの典型例。
革新的な商品はプロダクトアウトから生まれます。
マーケットイン
「顧客ありき」で商品を作る進め方です。
市場調査を行ってニーズを把握してから、それに合わせた商品を作ります。
どちらが成功確率が高い?
モノが少ない時代は商品は作れば売れるのでプロダクトアウトで進めるのが主流でした。
けれども、モノが溢れて供給過多の時代になってくると、お客さんの目が肥えてお金を払うことにもシビアになってきます。
そんな時代にプロダクトアウトで進めると、なかなか上手くいきません。
時代や市場の成熟度にも関係するので、プロダクトアウトとマーケットインのどちらが正解ということはありませんが、今の日本であれば成功確率が高いのはマーケットインになります。
売れる商品を作るためには求められていることに応えるほうが確実で、つまりは困りごとを見つけることが上手くいくためのコツ。
起業に成功している人は、常に「お客さんの困りごとはなんだろう?」というクライアント視点からスタートしているんです。
- お客さんは何に困ってる?
- お客さんがお金を払ってでも解決したいことって?
- お客さんが今すぐ解決したいことは?
まずはそこからスタートしてみてください。
「不」を見つける
「不」が商品作りのヒント
リクルートで、企画を考えるときに大切にされているものが「不」を見つけることです。
「不平」「不満」「不安」「不具合」「不完全」「不似合い」「不都合」などなど、世の中には「不」が溢れていてみんな困っています。
これら「不」が商品を作る上でのアイデアになってきます。
例えば、あなたが得意とすることが「写真撮影」だったとして、カメラの使い方や撮影テクニックに詳しかったとします。
すると、「写真の撮り方を教えます!」とやりがちですが、それだとあまり上手くいきません。
「自分ができること」がベースになっているので、「相手の困りごと」という視点が抜けているからです。
ここで目を向けるべきところは、世の中の人は写真についてどんな不満や不都合を感じているかということ。
例えば実際に考えてみると、今は以前に比べてマッチングアプリを使って男女が出会うのが普通になってきました。
けれども困ったことに、「マッチングアプリのサービスに登録して利用してみたけれどもなかなかマッチングしない」という困りごとが出てきます。
「もっと写真写りが良かったらいいのに…」「写真がカッコ良かったらもっとイイねしてもらえるんだけど…」
こういった不満を抱えている人は必ずいます。
こういった「困りごと」をイメージできるからこそ、「マッチング率10倍アップ!あなたを魅力的に見せるプロフィール写真を撮影します!!」といった商品が出てくるわけです。
順番としては、
- 「不」を見つける
- 困りごとを連想する
- 自分のできること・やりたいことを寄せていく
世の中の「不」がベースに商品ができるわけですね。
「不」が見つかりやすい場所は?
世の中の多くの人が困っているのは次の4つです。
- お金
- 仕事
- 恋愛
- 健康
これらのことに対して私達は不満や不安を感じながら生きてます。
そしてその一方で「快楽を追求」します。
これらの領域を探っていくとお客さんが解決を望む強い「不」が見つかりやすく、且つ、商品作りのヒントが眠っているわけです。
解決策ではなく課題を聞く
商品を作るときに、お客さんの視点で考えることの重要性をお伝えしましたが、お客さんに「欲しい商品」を直接聞くのはあまりお勧めしません。
なぜかというと、お客さんは本当に「欲しい商品」を知らないからです。
「経営の神様」と言われる松下幸之助さん。
彼の格言にこういったものがあります。
無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。
もしスティーブ・ジョブズが「どんな携帯が欲しいですか?」と聞いて商品を開発したらiPhoneはできなかったでしょう。
お客さんが欲しい商品というのはもう顕在化しているニーズ。
まだ顕在化していない潜在的なニーズにこそビジネスチャンスは眠っています。
直接欲しい商品を聞いても潜在的なニーズは出てきません。
では、どうすれば潜在的なニーズを見つけることができるかというと、お客さんに「欲しい商品」を聞くのではなく「困っていること」を聞くことです。
解決策ではなく課題を聞くわけですね。
その課題に対して独自の商品(解決策)を提案できれば、大きく利益を上げることができるんです。
まとめ
この記事では、どのように商品を作っていけばいいかについて書きました。
ビジネスモデルをつくるときに商品作りは不可欠であり、ここで下手な商品を作ってしまうと後から一生懸命売ろうとしても全く売れません。
ぜひお客さん視点で考えてみて、魅力的な商品を作ってみてください。
人の困りごとにヒントが眠っています。