
本を開いて数分すると急に眠くなってしまって、頭の中に内容が入ってこなかったり、そのまま寝てしまうことってないですか?

今でこそ月に15冊ぐらい本を読みますが、以前は読もうと思っても寝てしまって結局そんなに読書が進んでいないといったこともありました。眠いときに読書するのって大変ですよね。
この記事では、どうして本を読むと眠くなってしまうのかの理由と、読書をするための効果的な対処方法を3つ紹介します。
目次
どうして読書をすると眠くなるのか?
本を読むと眠くなるのにはちゃんと理由があります。その理由は次の3つです。
眠くなる理由1:読書にはリラックス効果がある
読書自体にリラックス効果があるので眠くなります。
2009年のイギリスのサセックス大学の研究で、読書にはリラックス効果(ストレス軽減効果)があることがわかりました。
読書には
・音楽を聞くよりも68%高いストレス軽減効果がある
・一杯のお茶を飲むよりも100%高い効果がある
・散歩に出かけるよりも300%高い効果がある
・ビデオゲームをするよりも700%高い効果がある6分読書をするだけで「60%のストレス軽減効果」「心拍数を抑える効果」「気持ちの状態を切り替える効果」がある
by デイビット・ルイス博士引用:Lewis, D. (2009), Galaxy Stress Research, Mindlab International, Sussex University, UK
眠くなる理由として、読んでいる本が退屈というのもありまうが、本を読むと心身ともにリラックスするので眠くなるわけです。
マッサージを受けているとリラックスしていつの間にか寝てしまっているのと同じですね(笑)
眠くなる理由2:単調なリズム
本を読んでいるとき、目は上下左右に単調に動きます。
上から下にいったら、また上へ。左から右にいったら、また左へ。これがずっと繰り返されます。
単調な作業をしているとなんだか眠くなってしまいますよね?市街地で車を運転するとあまり眠くなることはないと思いますが、高速道路をずっと走っていると眠くなるのと似ていますね。
刺激が弱かったり、単調なリズムが繰り返されると眠くなってしまいます。
マンガが活字よりも眠くなりづらいのは、コマ割りが工夫されているので視線の動きが変化しやすいのと、展開が活字に比べて速いので刺激のテンポも速くなるからです。
眠くなる理由3:脳と目の疲れ
読書は体を大きく動かさないので疲れないようにも思えますが、実際は脳と目に負担がかかっています。
脳にどれだけ負担がかかっているのでしょう?厚生労働省の発表によると脳は身体全体で消費するエネルギーのなかで20%を消費しているそうです。結構な割合ですね。
生命の維持のために脳は無意識で動いてくれていますが、読書をするとさらに消費量が上がります。
また、読書をすると目も疲れます。最近ではブルーライトを意識する人も多いですが、近距離に焦点を当て続けているということは思ったよりも負荷がかかっています。
読書をすると脳も目も疲れてしまうので、身体を休めるための反応として眠くなってしまうわけです。
眠くならないための3つの読書方法
それでは本を読むと眠くなる理由がわかったところで、実際に眠くなるときの対処方法を3つ紹介します。
方法1:歩きながら読む【効果:大】
眠い時に一番効果的なのが体を動かすことです。
あまり激しい動きだと読書にならないので、部屋の中の安全な場所で歩きながら読書をするのがオススメ。眠気が一気に吹き飛びます。
メンタリストで有名なDaiGoさん(最近では多読家としても有名)は歩きながらの読書を推奨しています。
一日平均10冊(月換算すると300冊)ほど本を読むそうですが、彼が読書をする時は、ステッパーに乗って歩きながら読むとのこと。すると、読むペースが速くなり、内容も入ってきやすくなるそうです。
ちなみに彼が使っているステッパーは次のもの。結構いい値段します。
2014年の米国のスタンフォード大学の研究で、歩くことで創造性が向上することが発表されました。それによると、じっと座っているときに比べて、創造的なアウトプット量が平均60パーセント増加します。
スティーブ・ジョブズも散歩を習慣にしていて、iMacG4はジョブズがデザイナーと散歩をしている時に思いついたと言われています。
ジョブズも散歩をすることが人の創造性を高めるということを分かっていたんでしょう。
方法2:朝の時間帯に読む【効果:中】
夜の時間帯は一日の活動を終えて疲れている状態。その状態で本を読むと眠くなってしまうのは仕方のないことです。
夜に本を読もうとして眠くなってしまうことが続くようであれば、朝の時間帯に読書をすることがオススメです。
睡眠は記憶の整理と定着の効果があるので、朝は頭が一番スッキリした状態です。夜に読書をするよりも朝の時間帯に読書をするほうが効果的でもあります。
慢性的な睡眠不足だと、朝に本を読もうとしても眠くなってしまうので睡眠時間は十分に取りましょう。
方法3:刺激物を取る【効果:小~中】
手軽な方法として刺激物を取るというものがあります。
ユニークなのは、タイ人なら誰でも知っているヤードム(ยาดม=yadom)。私も最初はタイからのお土産でもらいました。
ヤー(ยา)」とは「薬」、「ドム(ดม)」とは「嗅ぐ」を意味しています。つまり、ヤードム(ยาดม)とは「嗅ぎ薬」のこと。メンソールなどの清涼感のある香りを染み込ませたスティック状のアロマがヤードムです。タイではポピュラーなアイテムで、町中でよく鼻にヤードムを入れた人を見かけます。ちなみに鼻に近づけて香りを嗅ぐだけでも十分効果が得られます。
※1分40秒のあたりからヒカキンさんの実演が始まります。
補足:コーヒーは逆効果!?
眠いときにカフェインをとると眠気をまぎらわすことができますが、逆効果になることもあります。
カフェインで眠気が覚める理由
- 睡眠物質のひとつの「アデノシン」が神経細胞に作用することを邪魔する
- 脳の「報酬系」という部分を刺激するので、ハイな気分になって覚醒度が上がる
そのため、眠いときにカフェインをとったからと言って、眠気がなくなるわけではありません。眠気を“感じにくくなった”だけです。カフェインが分解されて脳内の濃度が下がってくると、一気に強い眠気が襲ってきます。
また、カフェインには利尿作用があるので、眠いときに眠気を抑えようとして何杯もお茶やコーヒーを飲むと、
尿が作られるので身体の中から水分が失われる
↓
脱水状態になる
↓
身体がだるくなって、やる気もなくなる
↓
眠気が強くなる
といったサイクルに入ります。
また、カフェインによってアデノシンの働きが抑えられると、
↓
アデノシンは、「アデノシン3リン酸(ATP)」が分解されて生まれる
↓
アデノシン3リン酸(ATP)は、細胞のエネルギー源
つまり、カフェインをとると、細胞のエネルギー源が減るわけです。つまり、カフェインをとり続けると、眠気が取れるどころか、疲労や眠気が強くなってしまいます。
カフェインは摂取後、15~20分後くらいから血中濃度が増して覚醒効果を発揮されるので、即効性もありません。もし眠気覚ましにコーヒーを飲むのであれば、代わりに仮眠を20分ほど取ったほうが効果的です。
仮眠が取れないときは眠気覚ましグッズ
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まとめ:習慣を少し変えてみると眠くなりづらい
本を読むと眠くなるのは生理現象みたいなものなので、仕方のないことです。
また、読む本を変えても眠いときはやっぱり眠いので、読むときの習慣を少し変えてみることが効果的です。
具体的には、部屋の中など安全なところで本を読む(ステッパーなどもオススメ)であったり、眠くなりやすい夜ではなく朝の時間帯に読むといった習慣を持つと眠くなりづらくなります。歩きながらの読書は、眠気覚ましに加えて創造性が刺激されるので一石二鳥です。
少し強引なやり方ですが、ヤードムといった刺激物を使うといった方法もあります。ただ、眠気の原因の根本を解決するわけではないので習慣を変えるほうが自然ですね。
コーヒーは嗜好品として飲むことがオススメ。眠気覚ましのために飲むと逆効果になることがあるので注意が必要です。