そういった疑問をお持ちではありませんか?
そこでこの記事では、長期投資のメンテナンス方法であるリバランスを、投資的15年の経験から書きます。
具体的には次の順番にご紹介していきます。
- リバランスとは?
- 具体的なリバランスの方法
- どのタイミングでリバランスするのか?
- 肝心のリバランスの効果は?
3分くらいで読めますし、長期投資に興味がある方は、ぜひご一読を!
目次
リバランスとは「ポートフォリオのリスク・リターンの管理」
リバランスとは、事前に決められた資産配分に合わせてポートフォリオを再調整することです。
相場の変動によって、ポートフォリオの中のバランスが崩れるので、それをメンテナンスするわけですね。
例えば、次の場合を考えてみましょう。
200万円の資金を、国内株式、海外株式、国内債券、海外債権の4つに均等に25%の配分をしたポートフォリオを組んだとします。
株式市場が好調で、一年後に国内株式と海外株式が50%上昇した場合、次のような状態になります。
最初に想定していたそれぞれ25%の配分からバランスが崩れてしまっています。
資産配分が変動すると、期待リターン・リスクも変動してしまいます。大きく値上がりしたものは、逆に大きく値下がりをする可能性も。
株式市場が暴落したりすると、株式の割合が大きくなっている分、ポートフォリオに大きな影響を与えてしまうわけです。
リバランスして、次のようにポートフォリオを組んだ当初のバランスに戻します。
リバランスすることで、期待リターン・リスクを事前に決めた範囲にコントロールすることができます。
リバランスの方法は?
リバランスの方法は2種類あります。
- 売却によるリバランス
- 資金追加によるリバランス
売却によるリバランス
先ほどの例の場合、株式の比率が高くなっているので、株式を売却して、それによって得た利益で債権を買い足してバランスを取ります。
資金追加によるリバランス
もう一つの方法が、追加で資金を投入してバランスを取る方法です。
リバランスのタイミングは?
どのタイミングでリバランスするかについて、大きく2つに別れます。
- 定期的リバランス
- 乖離(かいり)的リバランス
定期的リバランス
「半年ごと」「1年ごと」など、一定の期間ごとにリバランスをする方法です。
乖離的リバランス
「当初の資産配分から10%以上ずれたら」というように、乖離幅が一定以上に開いたらリバランスする方法です。
定期的と乖離的のどちらがいいの?
乖離的リバランスは資産配分をその都度確認する必要があります。そのため、仕事などで忙しい人は定期的リバランスのほうが取り組みやすいでしょう。
定期的リバランスの場合、頻繁にリバランスを繰り返すと売買手数料が発生して利益が削られてしまうので、一年に一回リバランスすれば大丈夫です。
リバランスの効果は?
このリバランスですが、実際にどの程度の効果があるんでしょうか?次のグラフを見てみてください。
引用:NIKKEI STYLE
リバランスをしたほうが結果的にパフォーマンスが高くなっていますね。
ここで注意したいのは、「リバランスを実行」のほうが「リバランスなし」に比べて常にパフォーマンスが高いわけではなく、タイミングによってはパフォーマンスが低くなる場合があるということです。
リバランスすることでパフォーマンスが悪化する可能性があることを考えると、何のためにリバランスをするかをちゃんと把握しておく必要があります。
リバランスは利益を最大化するためにするのではなく、期待リスク・リターンをコントロールするために実行します。
「リバランスを実行」と「リバランスなし」のグラフを見比べた場合、「リバランスを実行」のほうが上下の変動が緩やかになっていますよね。
資金を安定的に運用して長期的に着実な資産形成をするためにリバランスをするわけです。
まとめ:長期的に安定運用するためのリバランス
この記事では次のことを書きました。
- リバランスとは変動したポートフォリオのバランスを再調整すること
- リバランスの方法は、「売却」と「資金追加」の2つがある
- リバランスするタイミングは、「定期型リバランス」と「乖離型リバランス」の2つがある
- 忙し意人は、「定期型リバランス」がオススメ
- リバランスをしたほうが長期的にはパフォーマンスは高くなる傾向がある
- リバランスの目的は「利益の最大化」ではなく「期待リスク・リターンのコントロール」
長期投資の場合、買って寝かせておいてもいいのですが、パフォーマンスの安定化のためにはリバランスするのがオススメ。
年に一回、ポートフォリオのバランスを見て調整するだけなので簡単にできますよ。